さとうささらの二分間サイエンス「ゼンメルヴァイス」

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女性にとって出産は命懸けだといわれることがありますが、ヨーロッパで病院での出産が行われるようになった19世紀半ばは病院で出産した女性の30パーセント以上が死亡していた時代もありました。

当時の医者たちは自分たちの技術に間違いはない。死亡率が高いのは女性の心の弱さだ、と言っていました。 そんな時代にあってその理由を解明しようと研究を始めたのがハンガリー人の産科医ゼンメルヴァイスでした。

彼は助産婦のいる診療所の死亡率が非常に低いことに注目し、医者たちに妊婦の診察前には手をきれいに消毒するように指導したところ、出産時の女性の死亡率は著しく低下しました。 当時は血がこびりついて悪臭を放つ白衣を着ていることが優秀な医者の証拠と思われていましたので医者が病原菌をまきちらしていたのです。

そんな時代でしたので、医者に原因があると言ったゼンメルヴァイスは追放されてしまいました。 パスツールが感染症の原因は病原菌のせいだということを発見する100年も前の事でした。 ゼンメルヴァイスはその後もかたくなに研究を続けた結果、頭がおかしくなってしまい他の医者たちを罵倒することに終始するようになり、大暴れを繰り返した結果、通報で駆け付けた守衛たちにふるぼっこにされ、傷口から病原菌に感染し死んでしまいました。

あと100年待てばパスツールの発表が行われる、そんな時代でした。


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2016-12-05 : ポッドキャスト : コメント : 0 :

さとうささらの二分間サイエンス「新西之島」

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みなさんは、新西之島を知ってますか? 東京から千キロメートル離れた小笠原諸島で、2013年11月に突然噴火が始まり、流れ出た溶岩で新しい島ができて、もともとあった西之島と、合体するまで成長してしまった海底火山です。

この噴火で西之島は、12倍の面積にでかくなったのですが、噴火が落ち着いて1年以上がたちました。噴火直後は、降り積もった火山灰で、西之島の生物の多くが死に絶えましたが、現在、すでに島には、新しい生態系が誕生しつつあることがわかりました。

植物は、火山灰の下に埋もれていた、イネ科植物のオヒシバが、10センチ以上も降り積もった火山灰を押しのけて芽を出していることが確認されました。 うみどりは、夏に繁殖の時期を迎える、カツオドリが巣を作っていることがわかりました。 溶岩に覆われた地域は、まだ生物が生息する環境にはなっていませんが、やがて、このような苛酷な環境でも生きることができる、コケの仲間が住み着き、しだいに大きな植物が育ち始め、森ができていくものと思われます。

森ができるまでには、これから先、何百年もかかるのかもしれませんが、大陸の影響を受けない絶海の孤島で、これからどのような生態系が造られていくのかを観察し続けることは、現在の豊かな自然が、どのようにしてかたちづくられたのかを知ることにもつながります。
2016-11-27 : ポッドキャスト : コメント : 0 :

3秒ルール

高校吹奏楽部を描いたアニメ「響け♪ユーフォニアム2」の夏祭り回ではコンビニ前でアイスクリームの3秒ルール、夏祭り会場のかき氷で3秒ルールが議論されていましたが、3秒ルール(5秒ルールとも)とは床に食べ物を落としても3秒以内だったらセーフ、といった考え方です。

3秒ルールの科学的な検証は、意外と多くの研究者が取り組んでいて、定期的に論文として出てきます。 米国ニュージャージー州のラトガーズ大学の研究によると、食べ物を床に落として何秒でアウトになるかは食べ物の水分含量に依存するけれど、基本的に落としたものはすべてアウトと思った方がよさそうです。

今回の研究ではスイカ、パン、グミのような違う質感の食物を、あらかじめサルモネラ菌に似た菌を塗っておいたタイルの床、ステンレスのキッチン、フローリング、絨毯などに落とし、1秒未満、5秒、30秒、300秒の場合にわけて、食べ物に何秒で菌が移るかを測定しました。  

その結果、菌の付着は水分含量が多い食べ物ほど、そして床に付着した状態のままの時間が長いほど多いことがわかりましたが、1秒未満でも菌の移動は起きうることもわかりました。つまり、スイカはすぐにアウトで、タイルやステンレスにべちょっと密着するとアウト、絨毯は菌の付着は少なかったそうですが、食べない方が無難でしょうね。
2016-11-27 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

ヴォイニッチの科学書(無料版)「水素を持ち運ぶためのプラスチックを開発」

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水素は次世代のエネルギー源として期待されていますが、水素は高圧ボンベなどでの保管・運搬や爆発の危険など課題が多く、そのまま持ち運ぶのは危険なので、アンモニアなどの水素キャリアの研究も活発に行われています。早稲田大学の研究者らは水素を貯めている状態でも手で触ることができる、安全な水素運搬プラスチックを開発しました。  

今回の研究では、ケトンと呼ばれる共通構造を持つプラスチックをシート状に成形できる高分子をキャリアにして水素の保管と放出を繰り返し行うことに成功しました。水素を保持させたポリマーはともに、通常の環境で取り扱うことができますので、電池に代わる新たなエネルギー保管デバイスになるかもしれません。

2016-11-27 : ポッドキャスト : コメント : 0 :

Chapter-626 脳はヘビを見つけるために進化した!?

2016年11月5日 
Chapter-626 脳はヘビを見つけるために進化した!?

霊長類が脳の視覚系を発達させたのはヘビを検出するためではないかという説が提唱されています。これを「ヘビ検出理論」と呼びます。

名古屋大学の研究者らは、自然界では保護色で見つけにくいヘビをヒトは効率的に発見することができるのかどうかについて実験を行いました。 自然な背景で写っているヘビ、ネコ、トリ、サカナの写真をそれぞれ4種類ずつ用意し、その写真に95%から0%までノイズを含ませ、大学生の実験ボランティアに見てもらいました。 見る順番はノイズの多いものから順で、1枚提示するごとにその写真に写っているのがどの動物だと思うかを判断してもらいました。

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その結果、ヘビはほかの動物の写真よりもかなりノイズの多い状況でも正しく見分けられることがわかりました。私たちがヘビの何に着目して見つけているのかはまだわかっていませんので、そのメカニズムを解明することは霊長類の視覚システムがどのように進化してきたのかを解明する手掛かりになるものと期待されます。
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横軸はノイズのレベル、縦軸はその動物を正しく認識できた人の割合


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2016-11-27 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :

ヴォイニッチの科学書(無料版)「脊椎動物最長齢はサメだった」

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北大西洋に生息する大型のサメであるニシオンデンザメの寿命は400年もあり、脊椎動物のなかで最も長生きらしいことがわかりました。多くの長寿の動物の例にもれず、このサメも遊泳の平均時速はわずか1キロメートルで非常にのんびり生きています。

今回の研究では眼の水晶体にあるクリスタリンというタンパク質の放射性炭素年代測定を行いました。クリスタリンは母親の胎内で合成され、誕生後はほとんど変化することはないため、外界から新たな炭素が供給されることなく、放射性崩壊によって炭素14の濃度は一定のペースで減少していきますので、現時点でどれくらい減少しているのかを測定することによって何年前に誕生したのかを計算することができます。

ちなみに、その他の長寿の生物としてはゾウガメ100年、ホッキョククジラ211年、アイスランドガイ(二枚貝の一種)の507年などがあります。
2016-11-26 : ポッドキャスト : コメント : 0 :

さとうささらの二分間サイエンス「リンカーン実験衛星」

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リンカーン実験衛星は1965年から1976年にかけてマサチューセッツ工科大学のリンカーン研究所が米国防衛に必要な通信衛星開発のための実験衛星として9基打ち上げたものです。

1号機と2号機は楕円軌道で地球を周回する計画でした。 1号機は打ち上げに失敗し1967年以降電波が途絶していましたが、2013年にアマチュア観測家が1号機が電波を発信していることを46年ぶりに発見して話題になりました。 3号機から最後の9号機までは静止衛星として開発されました。 3号機と4号機は静止軌道に投入することには失敗しましたが、衛星としての機能に異常はなかったので多くの実験データを収集することができました。 また、7号機はお金が足りなくなってプロジェクトが中止されました。 それ以外の4基は静止軌道への投入に成功しました。

これらの衛星群によって地上電波の乱反射の影響の観測や新しい通信波長の実験、宇宙空間における電子回路の動作の実験、地球磁場が衛星に与える影響などを調べました。

3号機はわずか16キログラムしかない小型衛星でしたが、1976年に打ち上げられた8号機と9号機は450キログラムありました。 当初はプラズマエンジンの実験も行う予定でしたが、開発が間に合わず通常のガスすらスタを搭載しました。 8号機と9号機は1992年まで運用され現在は宇宙空間を漂っています。
2016-11-26 : ポッドキャスト : コメント : 0 :

オスを殺す細菌

産業技術総合研究所の研究者らは、共生細菌スピロプラズマが宿主ショウジョウバエをメスだけにしてしまう「オス殺し」という生殖操作に関わる重要なしくみを解明しました。

X染色体とY染色体を持つショウジョウバエのオスはメスの半数しかX染色体がないので、遺伝子の活性化を倍増させる役目の「タンパク質-RNA複合体」がX染色体に結合して、1本の遺伝子に2倍の働きをさせています。そうしなければ、ショウジョウバエのオスはX染色体上の遺伝子の産物が半分しかできず、さまざまな機能障害が起きてしまいます。 オス殺しをするスピロプラズマはこのタンパク質-RNA複合体を目印にして染色体に損傷を与えることにより、誕生する前の段階のオスのプログラム細胞死(アポトーシス)を誘導します。スピロプラズマの攻撃を受けた染色体はあちこちに異常な結合や切断を生じます。その結果としてオスは誕生前に死亡し、メスのみが正常に誕生します。  

このような生殖操作はスピロプラズマだけではなく、いくつかの共生細菌が行っています。そのような操作をする共生細菌はメスからメスへと感染して生き延びる生活をしています。そのため、宿主の生殖を操作して自分を次世代に伝えてくれるメスのみを生産させたり、自分が感染していない宿主メスの生殖を妨害したりするのです。オスを殺すほかに、メスだけでの単為生殖を誘導したり、オスをメスに性転換させたりする生殖操作を行う菌も知られています。
2016-11-26 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

ヴォイニッチの科学書(無料版)「赤色巨星は危険だ」

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ハッブル宇宙望遠鏡を使った観測で、赤色巨星から大きさは火星の2倍、温度は9400度もある火の玉が放出されているようすが観察されました。放出は最短でも過去400年間およそ8年ごとに起きているようです。

この現象が観測されたのは地球から約1200光年の距離にある赤色巨星うみへび座Vです。未確認ですが、うみへび座Vは連星系で、赤色巨星がすでに星の一生の末期で巨大化しているため、伴星は8年に一回うみへび座Vの内部に突入するようです。その時に赤色巨星の物質を伴星の引力で持ち去ったのち、火の玉として放出するようです。  

観測可能な過去400年間に数十個の火の玉が次々に放出され、最も遠くまで届いている火の玉はうみへび座Vから約600億km離れた位置にあります。火の玉が放出される方向は定まっていないので、このような赤色巨星の近くに行く場合は巻き込まれないように注意が必要です。

赤色巨星は危険だ

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赤色巨星は危険だ

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2016-11-26 : ポッドキャスト : コメント : 0 :

東京湾のイワシの内臓 8割に微細プラごみ

東京農工大学の研究者らがごみとして海に浮遊する5ミリ以下の大きさの微細なプラスチック「マイクロプラスチック」を東京湾で捕れたカタクチイワシの8割近くの内臓から検出したとの調査結果を発表しました。

マイクロプラスチックはレジ袋などのプラスチックごみが紫外線や波で砕かれてできたものや、洗顔料などに入れられている「マイクロビーズ」です。東京湾だけではなく世界中の海で確認されています。  

人間が魚と共にそのプラスチックを食べたとしても、体内に吸収されませんので害はないはずなのですが、プラスチックは海の生態に悪影響を及ぼす懸念があります。
2016-11-26 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :
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おびおのプロフィール

おびおがしかし

Author:おびおがしかし
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。でも、楽しいことしかしません。楽しいことしかできない病、TD! それがおびおなのです。
苦手な食べ物:シーチキン、レバー、昆虫系
Web:ヴォイニッチの科学書
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