相当明るい超新星 SN 2017eaw

米国の個人天文家がケフェウス座にあるNGC6946銀河に超新星を発見しました。超新星は星が一生の最後の段階で大爆発を起こして明るく輝いたものです。
下の写真はその周辺広域の写真で、赤い2本の棒線を延長した交点にあるのが超新星です。SN 2017eaw と名付けられました。

これでも割と近い超新星 SN 2017eaw
Image Credit & Copyright: Paolo Demaria

下の写真は超新星付近を拡大したものです。周りの明るい点は天の川銀河の中の星(あるいは遙か彼方の銀河も含むかも)ですが、SN 2017eaw は天の川銀河の星と同じくらい明るく輝いています。ですが、1800万光年離れた別の銀河で輝いている星です。

これでも割と近い超新星 SN 2017eaw

これくらい明るい超新星が発見されたのは2014年1月以来とのことです。
遠く離れた天の川銀河から観測する分には、とても明るく観測しやすくて良いのですが、地球の近くでこんな星が突然現れると一体どうなってしまうのでしょうね。この超新星爆発で滅びた文明もひょっとするとあるのかもしれません。

天の川銀河ではベテルギウスが超新星爆発を起こしそうで、もし爆発すれば地球では昼間でも明るく輝くのが見えると予想されています。他の銀河の生命体からもきっとこのように観測され、

「天の川銀河で超新星発見!

  この銀河で超新星が発見されたのは400年以上ぶりの珍しい出来事!!」


と記事になるのかもしれないですね。ちなみに、天の川銀河で超新星爆発が最後に起きたのは1604年のことで、一方で NGC6946 ではこの100年間に10個も超新星が発見されています。


スポンサーサイト
2017-06-17 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

化学に恋するアピシウス、第14回公開されてます

一ヶ月くらい過ぎてからの告知になりましたが、美味しい料理の科学と化学とちょっと文学「化学に恋するアピシウス」の第14回が公開されてます。サイトはこちらビジネスジャーナル

今回の記事は「アスパラガス」です。アスパラガスの効能については上のリンクから記事を読んで頂くとして、今回は銀座ライオン秋葉原ラジオ会館店でアスパラガスのトマトソースオーブン焼きを頂きました(季節メニューで今は多分ないと思います)。一人メシでさらにビールを飲むので、そうあれやこれや料理の注文はできないのですが、串カツが1本からOKでしたので、それもあわせて頂いています。

化学に恋するアピシウス、第14回公開されてます

文学パートは恩師の飴山實先生の全句集から紹介させて頂きました。
次回は「鹿」の予定です。6月中旬更新予定です。


2017-06-04 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

北米大陸にはいつから人類がいたのか?

北米の人類期限について、現在はアフリカ単一起源説、つまり人類の祖先はアフリカで誕生し、そこから移動して世界中に広がった、という説に基づきアフリカで誕生した現生人類(ホモ・サピエンス)が1万5000年前に北米大陸に進出した、という考え方が一般的です。


北米大陸にはいつから人類がいたのか?

ところが、サンディエゴ自然史博物館が13万年前の地層から出土したマストドンの化石を調査する過程で、人為的につけられた可能性のある鋭利な傷を発見し、ひょっとするとその時代に現生人類とは異なる石器などを使用してマストドンを狩ることができた人類がいたのではないか、と発表し話題になっています。

サンディエゴ自然史博物館

人類の化石を調べるだけでは人類の進化は解決できそうになく、地層の中から人類がそこにいた痕跡をDNA断片を探し出すことによって解析する環境DNAなどの最新手法を適用した報告が楽しみです。


2017-05-28 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

古典「明月記」で知る太陽磁気嵐の地球直撃

古典「明月記」で知る太陽磁気嵐の地球直撃

太陽活動は刻々と変動し地球に影響を与えます。現代においては太陽活動が激しくなり、磁気嵐が発生することで、大規模な停電が発生したり、人工衛星の電子機器が故障したりします。また、大きな磁気嵐の時には、日本でもオーロラが観測されることが知られています。

最近では2003年10月下旬に太陽活動が激しくなり、多くの人工衛星が故障する「宇宙災害」に見舞われ、スウェーデンの南部では停電が発生し約5万人が影響を受けました。日本では二日間にわたり北海道でオーロラが観測されています。

過去の時代におけるこのような天文現象の発生を探るために京都大学の研究者らは鎌倉時代初期の歌人・藤原定家の日記『明月記』に記録された、「赤気(オーロラ)」の記述に注目しました。『明月記』には、1204年2月21、23日の京都の夜空に「赤気」が現れて恐ろしい様子だという記述が残されています。これは、現在調査されている日本の文献の中では、最古の「長引く赤いオーロラ」の記録です。

明月記
1204年2月21日、晴れ。日が暮れてから北及び東北の方向に赤気が出た。その赤気の根元の方は月が出たような形で、色は白く明るかった。その筋は遠くに続き、遠くの火事の光のようだった。白いところが4、5箇所あり、赤い筋が3、4筋出た。それは雲ではなく、雲間の星座でもないようだ。光が少しも翳ることのないままに、このような白光と赤光とが入り交じっているのは、不思議な上にも不思議なことだ。恐るべきことである。
1204年2月23日、晴れ。風が強い。日が暮れてから、北・東北の方向に再び赤気が現れた。それは山の向こうに起きた火事のようだった。重ね重ねとても恐ろしい。

さらに研究グループは古典書籍を研究し、中国の歴史書『宋史』に明月記と同じ日に太陽活動が記録されていることを発見しました。

宋史
1204年2月21日、太陽の中に黒点がありナツメのように大きい。


地磁気の北極はつねに揺れ動いていますが、「明月記」が書かれた頃の地磁気の北極を調べたところ、極が日本の方へ近づいている時代に相当し、過去2000年間で日本からオーロラが最も観測しやすい時期であったことが明らかになりました。今回、2つの古典の記録から約800年前の大規模な太陽活動が実在したものであり、太陽の異常を反映して日本の空にオーロラが出ていたことが確かめられたことになります。

さらに「宋史」で900年代~1200年代の記録を調べると、長引く赤いオーロラが見られた記述が十数例見つかりました。また、樹木年輪の炭素同位体比から、当時の太陽活動の歴史を復元しました。その両者を比較した結果、11年周期の太陽活動の極大期付近に、長引く赤いオーロラが多く記述されていることが明らかになりました。

古典、特に日記や歴史書の中に記録された天文現象、地質学的出来事を年輪の変化などの科学的に検証できる事実と結びつけて解釈することによって、単に科学的な「太陽の活動でオーロラが現れた」という事実を知るだけで無く、自然に対する捉え方が現代の私達とは大きく異なるはずの当時の人たちがどう感じたのかを知ることはとても興味深く、とても重要なことで、科学の面白さの一つでもあると思います。


2017-05-28 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

土星探査機「カッシーニ」グランドフィナーレ 1回目、2回目

1997年に打ち上げられた NASA・ESAの土星探査機「カッシーニ」が探査機としての寿命も近いため、最後の大胆なミッションに取り組んでいます。
このミッションは「グランドフィナーレ」と名付けられ、土星本体と輪の間を22回周回することによって詳細な土星本体とその周辺環境、および輪の構造について観測を行おうとするものです。最後の周回を終えた後、探査機は土星大気に突入して消滅します。予定日は2017年9月15日です。

土星探査機「カッシーニ」グランドフィナーレ 1回目、2回目

1回目のミッションが2017年4月26日、2回目が5月3日に行われました。
このような空間を通ることによる微粒子の衝突については、理論的計算から土星本体と輪の間にはほとんど微粒子は存在しないと考えられていましたが、初回通過の観測により、この空間は非常にきれいな、計算値よりもさらに何も無い空間で、1マイクロメートル(1ミリの1000分の1)以上のチリは観測されませんでした。
地球の周辺が人工衛星やロケットの破片でゴミ屋敷状態になってしまったのとは対照的です。この観測結果を見ると私達は地球を取り巻く環境に対して取り返しのつかない環境破壊をしてしまったのだな、と感じます。


土星探査機「カッシーニ」グランドフィナーレ 1回目

土星に対する相対速度が時速12万キロを超える猛スピードで土星の本体と輪のわずか2000キロメートルのすき間を飛行するミッションは初回、2回目共に成功し、これまでで最も詳細な土星の大気の様子の撮影に成功しました。今後、科学者によってそれらのデータが解析され、土星の新たな事実が多数発見されるものと思われます。






2017-05-05 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

1平方メートル 0.3グラム

金属などにナノメートルサイズのとても小さな加工をすることによって光を操れるようにした「メタマテリアル」が、自然界の物質とは全く異なる性質を持つため注目されています。

メタマテリアルに光を照射すると、表面の電子が複雑な変化をして照射された光のうち、特定の波長の光を吸収し、残りの光を反射します。その結果、メタマテリアルは色がついて見えます。


理化学研究所の研究チームは、ナノ構造を工夫することによって自在に色を作り出すメタマテリアルの加工技術を開発することに成功しました。新たに開発されたナノ構造体は四角形が規則正しく並んだ構造ですが、四角形の大きさやとなりの四角形との間隔をナノメートルレベルで精密にコントロールして作製することによって、白色光を当てると、四角形のサイズに応じた波長の光が吸収されて、反射光に色がつきます。

下の左側の写真は今回開発されたメタマテリアル技術で作製された理化学研究所のロゴマークの光学顕微鏡写真です。画像では色を塗って描いてあるように見えますが、塗料は使っておらず完全にメタマテリアルで作り出されています。右側はその電子顕微鏡写真で、試しに緑色に見える部分を拡大してみると右下の拡大写真のように四角形構造体が並んでいるのがわかります。

アルミニウムの微細構造で色を作り出す

四角形の一辺の長さと四角形同士の間隔をコントロールすることで様々な色を作り出せることを示すためにメタマテリアルで下の図のようなカラーチャートを作製しました。横軸は四角形の一辺の長さ、縦軸は四角形同士の間隔で、それらを相互に変化させることで赤から青まですべての範囲の色を作り出すことができることがわかります。
アルミニウムの微細構造で色を作り出す

このメタマテリアルは構造的に比較的安定で、破壊されない限り色は失われません。また、ペンキを1平方メートル塗ると重さは約130gになりますが、今回開発されたメタマテリアルであればわずか0.29gで半永久的に色褪せることなく彩色が可能になります。



2017-04-30 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

世界初の蛍光色で光るカエル

アルゼンチン政府の研究チームがアルゼンチン北部のサンタフェ市郊外で採集したアマガエルのなかまが緑または青色の蛍光色に光ることを発見しました。蛍光色に光る両生類の発見は初めてのことです。

このアマガエルの正式名称は「ヒプシボアス・プンクタートゥス」といいますが、ちょっと覚えられません。ブラックライトを照射していない時には白色に見えますが、ブラックライトで下の写真のように(画像処理で強調しています)蛍光色で光ります。自然界では月明かりなどで緑から青の光を放ちます。

蛍光色で光るカエル


2017-04-26 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

トンネルは常に揺らいでいる

高エネルギー加速器研究機構が加速器を設置するトンネルの測量を目的に、超スーパーウルトラ高精度なレーザー計測装置を開発し、トンネルの床面の変動を8ヶ月間にわたって測量し続けることに成功しました。その結果、トンネルの床面は常に不規則に変動していることがわかりました。

下のグラフは横軸の左端が計測開始、右端が8ヶ月後です。縦軸は変動で単位はミリメートルです。上段はトンネルのある 1.7メートル区間の測量結果で、下段はある 106メートルの測量結果です。ここから1日の変動量は1ミリメートルの1000分の5(1マイクロメートル)であることがわかります。また、上段と下段の変動パターンが一致していないことからトンネルは同じ方向に同じペースで変動するのではなく、うねうねと不規則に動いていることがわかります。

トンネルは常に揺らいでいる



2017-04-22 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

見たら食べたくなる神経回路

見ると食べたくなる・・・というのは神経回路レベルで構築されているため、我慢が無駄な努力に終わるのは当たり前のことであることが国立遺伝学研究所の研究で確認されました。

見たら食べたくなる神経回路

食事をするという行為は生命維持のために本能で行うものですが、栄養状態に問題がない場合でも料理を見ると食べたくなります。

見たら食べたくなる神経回路

この行為が「この料理は美味しいはず」という経験から来るのか、あるいは食べものを見かけたらとりあえず食べとけ、と生まれたときから備わっているものなのかはわかっていませんでした。

見たら食べたくなる神経回路

生まれてから一度も餌を食べたことのない稚魚を使った実験で、食べもののおいしさを知らないはずの稚魚でも食べものを見せるだけで脳の中の「食べたい中枢」が反応することがわかりました。

見たら食べたくなる神経回路

つまり、食べものを見たときに、その視覚情報を食欲へ変換する神経回路が生まれながらに脳内に存在している、ということです。

見たら食べたくなる神経回路


2017-04-22 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

わさびは400万年前に辛くなった

わさびは中国雲南省などに自生する近縁種シャンユサイと約400万年前に進化的に方向が分かれ、独特の辛味を獲得した可能性が高いことが分かりました。岐阜大の研究者が葉緑体DNA解析して突き止めました。シュンユサイはわさびそっくりの植物ですが、辛くありません。

わさびは中国と日本に固有種があり、中国大陸と日本列島が陸続きだった時代に自然に分布を広げたと考えられ、日本国内では現在の北海道に相当する地域から広がったこともDNA解析でわかりました。

わさびは400万年前に辛くなった


2017-04-14 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :
ホーム  次のページ »

おびおのプロフィール

おびおがしかし

Author:おびおがしかし
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。でも、楽しいことしかしません。楽しいことしかできない病、TD! それがおびおなのです。
苦手な食べ物:シーチキン、レバー、昆虫系
Web:ヴォイニッチの科学書
お気づきの点はメール
twitter:科学の自動会話プログラム ぼっとびお。

スヴァールバルの画像保管庫

スポンサードリンク

スポンサードリンク

ワトソンの検索窓

ロザリンド・フランクリンのダイアリー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

QRコード

QR