土星探査機「カッシーニ」グランドフィナーレ 1回目、2回目

1997年に打ち上げられた NASA・ESAの土星探査機「カッシーニ」が探査機としての寿命も近いため、最後の大胆なミッションに取り組んでいます。
このミッションは「グランドフィナーレ」と名付けられ、土星本体と輪の間を22回周回することによって詳細な土星本体とその周辺環境、および輪の構造について観測を行おうとするものです。最後の周回を終えた後、探査機は土星大気に突入して消滅します。予定日は2017年9月15日です。

土星探査機「カッシーニ」グランドフィナーレ 1回目、2回目

1回目のミッションが2017年4月26日、2回目が5月3日に行われました。
このような空間を通ることによる微粒子の衝突については、理論的計算から土星本体と輪の間にはほとんど微粒子は存在しないと考えられていましたが、初回通過の観測により、この空間は非常にきれいな、計算値よりもさらに何も無い空間で、1マイクロメートル(1ミリの1000分の1)以上のチリは観測されませんでした。
地球の周辺が人工衛星やロケットの破片でゴミ屋敷状態になってしまったのとは対照的です。この観測結果を見ると私達は地球を取り巻く環境に対して取り返しのつかない環境破壊をしてしまったのだな、と感じます。


土星探査機「カッシーニ」グランドフィナーレ 1回目

土星に対する相対速度が時速12万キロを超える猛スピードで土星の本体と輪のわずか2000キロメートルのすき間を飛行するミッションは初回、2回目共に成功し、これまでで最も詳細な土星の大気の様子の撮影に成功しました。今後、科学者によってそれらのデータが解析され、土星の新たな事実が多数発見されるものと思われます。






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2017-05-05 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

1平方メートル 0.3グラム

金属などにナノメートルサイズのとても小さな加工をすることによって光を操れるようにした「メタマテリアル」が、自然界の物質とは全く異なる性質を持つため注目されています。

メタマテリアルに光を照射すると、表面の電子が複雑な変化をして照射された光のうち、特定の波長の光を吸収し、残りの光を反射します。その結果、メタマテリアルは色がついて見えます。


理化学研究所の研究チームは、ナノ構造を工夫することによって自在に色を作り出すメタマテリアルの加工技術を開発することに成功しました。新たに開発されたナノ構造体は四角形が規則正しく並んだ構造ですが、四角形の大きさやとなりの四角形との間隔をナノメートルレベルで精密にコントロールして作製することによって、白色光を当てると、四角形のサイズに応じた波長の光が吸収されて、反射光に色がつきます。

下の左側の写真は今回開発されたメタマテリアル技術で作製された理化学研究所のロゴマークの光学顕微鏡写真です。画像では色を塗って描いてあるように見えますが、塗料は使っておらず完全にメタマテリアルで作り出されています。右側はその電子顕微鏡写真で、試しに緑色に見える部分を拡大してみると右下の拡大写真のように四角形構造体が並んでいるのがわかります。

アルミニウムの微細構造で色を作り出す

四角形の一辺の長さと四角形同士の間隔をコントロールすることで様々な色を作り出せることを示すためにメタマテリアルで下の図のようなカラーチャートを作製しました。横軸は四角形の一辺の長さ、縦軸は四角形同士の間隔で、それらを相互に変化させることで赤から青まですべての範囲の色を作り出すことができることがわかります。
アルミニウムの微細構造で色を作り出す

このメタマテリアルは構造的に比較的安定で、破壊されない限り色は失われません。また、ペンキを1平方メートル塗ると重さは約130gになりますが、今回開発されたメタマテリアルであればわずか0.29gで半永久的に色褪せることなく彩色が可能になります。



2017-04-30 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

世界初の蛍光色で光るカエル

アルゼンチン政府の研究チームがアルゼンチン北部のサンタフェ市郊外で採集したアマガエルのなかまが緑または青色の蛍光色に光ることを発見しました。蛍光色に光る両生類の発見は初めてのことです。

このアマガエルの正式名称は「ヒプシボアス・プンクタートゥス」といいますが、ちょっと覚えられません。ブラックライトを照射していない時には白色に見えますが、ブラックライトで下の写真のように(画像処理で強調しています)蛍光色で光ります。自然界では月明かりなどで緑から青の光を放ちます。

蛍光色で光るカエル


2017-04-26 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

トンネルは常に揺らいでいる

高エネルギー加速器研究機構が加速器を設置するトンネルの測量を目的に、超スーパーウルトラ高精度なレーザー計測装置を開発し、トンネルの床面の変動を8ヶ月間にわたって測量し続けることに成功しました。その結果、トンネルの床面は常に不規則に変動していることがわかりました。

下のグラフは横軸の左端が計測開始、右端が8ヶ月後です。縦軸は変動で単位はミリメートルです。上段はトンネルのある 1.7メートル区間の測量結果で、下段はある 106メートルの測量結果です。ここから1日の変動量は1ミリメートルの1000分の5(1マイクロメートル)であることがわかります。また、上段と下段の変動パターンが一致していないことからトンネルは同じ方向に同じペースで変動するのではなく、うねうねと不規則に動いていることがわかります。

トンネルは常に揺らいでいる



2017-04-22 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

見たら食べたくなる神経回路

見ると食べたくなる・・・というのは神経回路レベルで構築されているため、我慢が無駄な努力に終わるのは当たり前のことであることが国立遺伝学研究所の研究で確認されました。

見たら食べたくなる神経回路

食事をするという行為は生命維持のために本能で行うものですが、栄養状態に問題がない場合でも料理を見ると食べたくなります。

見たら食べたくなる神経回路

この行為が「この料理は美味しいはず」という経験から来るのか、あるいは食べものを見かけたらとりあえず食べとけ、と生まれたときから備わっているものなのかはわかっていませんでした。

見たら食べたくなる神経回路

生まれてから一度も餌を食べたことのない稚魚を使った実験で、食べもののおいしさを知らないはずの稚魚でも食べものを見せるだけで脳の中の「食べたい中枢」が反応することがわかりました。

見たら食べたくなる神経回路

つまり、食べものを見たときに、その視覚情報を食欲へ変換する神経回路が生まれながらに脳内に存在している、ということです。

見たら食べたくなる神経回路


2017-04-22 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

わさびは400万年前に辛くなった

わさびは中国雲南省などに自生する近縁種シャンユサイと約400万年前に進化的に方向が分かれ、独特の辛味を獲得した可能性が高いことが分かりました。岐阜大の研究者が葉緑体DNA解析して突き止めました。シュンユサイはわさびそっくりの植物ですが、辛くありません。

わさびは中国と日本に固有種があり、中国大陸と日本列島が陸続きだった時代に自然に分布を広げたと考えられ、日本国内では現在の北海道に相当する地域から広がったこともDNA解析でわかりました。

わさびは400万年前に辛くなった


2017-04-14 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

スペースX社の新たな挑戦

米国スペースX社が2018年末に宇宙飛行士2人を宇宙船「クルー・ドラゴン(ドラゴン2)」に搭乗させ、月周回往復旅行を実施すると発表しました。ドラゴンは国際宇宙ステーションに物資を届けている無人宇宙貨物船です。これを人が登場できるようにしたものが「クルー・ドラゴン」です。

スペースX社の新たな挑戦

打ち上げには独自開発で2017年夏に初打上げを目指す「ファルコン・ヘビー」が使用されます。次いで、2017年末に「クルー・ドラゴン」の一号機を無人で打上げ、国際宇宙ステーションへの物資輸送を行います。実現すれば45年ぶりに人々は再び月へと向かうことになります。 これはすでに2016年9月に発表された、2060年代に火星に100万人を移住させるという壮大な計画の一部となります。

スペースX社の新たな挑戦


2017-04-13 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

わずか540年前に分離した連星系を発見

NASAと米ペンシルベニア州立大などの研究チームがそれぞれ地球からオリオン座の方向に約1300光年離れた他所で時速約21万キロ、時速10万キロ、時速3.5万キロの高速で移動している星を発見しました。移動方向を逆算すると3つの星は540年前には同じ場所にあったことがわかり、少なくとも3個の恒星からなる連星系だったことがわかりました。 何らかの理由で連星系のバランスが崩れ、別々の方向に飛び出した可能性が考えられます。

わずか540年前に分離した連星系を発見


2017-04-12 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

白内障を目薬で治療する

白内障は眼球の前方にあってレンズの形をした水晶体のタンパク質「クリスタリン」が異常を起こしてかたまりを形成し、光が通り抜けにくくなる病気です。

中国四川大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校などの国際研究チームは遺伝性白内障の原因が、水晶体に多く含まれるラノステロールというタンパク質を作る酵素「ラノステロールシンターゼ」の遺伝子変異であることを突き止めました。

水晶体は透明な細胞の集まりですが、本来細胞は細胞内小器官というミトコンドリアや核などいろいろな構造物が入っていますので透明ではありません。水晶体の細胞はそれらの細胞小器官が分解して消えてなくなることによって透明で高性能なレンズとして機能しています。クリスタリンは水晶体のタンパク質の90%を占めますが水晶体の細胞は細胞内小器官を失っているため新陳代謝がなく、クリスタリンは新たに作り出されません。従って、クリスタリンをフレッシュな状態に維持することが水晶体混濁、つまり白内障予防のために重要です。

混濁した水晶体を除去する外科的手術は効果的で安全ですので広く行われていますが、世界的な老齢化社会の到来から点眼薬による簡便な治療は非常に有効です。すでにラノステロールを含む点眼薬で、イヌで自然発症した白内障の治療に成功しており、人においても有効である可能性が高くなっています。


2017-04-11 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

秒速1ペタビット

NTT、デンマーク工科大学、フジクラなどの共同研究チームが世界最大容量の光ファイバーで長距離伝送実験に成功しました。今回の実験では1秒間に1ペタビットのデータを約200キロメートル送信することができました。この速度は映画「君の名は。」のハイビジョンデータを1秒間に6000本送る速度に相当します。つまり、瀧君と三葉さんが1秒間で7万回近く入れ替わることになります。  

実験結果から推定すると、今回の1.5倍の毎秒1.5ペタビットで1000キロメートル以上正しく伝送できると推定されています。ちなみに、現在広く使われている光ファイバーケーブルの伝送速度は秒速8TBだそうです。


2017-04-09 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :
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おびおのプロフィール

おびおがしかし

Author:おびおがしかし
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。でも、楽しいことしかしません。楽しいことしかできない病、TD! それがおびおなのです。
苦手な食べ物:シーチキン、レバー、昆虫系
Web:ヴォイニッチの科学書
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