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Chapter-514 地球が二つの太陽を持つ日

Chapter-514 地球が二つの太陽を持つ日
http://www.obio.jp/voy/514.htm

 オリオン座のベテルギウスは地球から642光年の彼方にある赤色超巨星です。

 ベテルギウスは年老いた星で自分の形を丸く保つことができなくなってしまっています。そのため、星の大きさの変化で明るさが変化する脈動変光星に分類されています。ベテルギウスは太陽の20倍も質量のある巨大な星で、まもなく超新星爆発を起こすものと期待されています。 ベテルギウスはこの十数年で急速にしぼんでいることから、すでに完全に安定を失っている可能性もあります。ベテルギウスの超新星爆発はここ数年、「明日起きても不思議ではない」とされる一方で100万年後の可能性も否定されていません。というのも、人類が近代的な天体観測技術を確立して以来一度も超新星爆発を観測した経験は無く、天の川銀河に限ってみれば最後に超新星爆発が起きたのは1604年のことだと推測されていますので、科学者でさえ超新星爆発直前の星の様子を知らないのです。

 ベテルギウスが超新星爆発を起こした場合、どれくらい明るくなるかについては様々な計算がなされており、おそらくは満月ほどの輝きとなり、昼間でもベテルギウスを見ることができるはずです。つまり、わずか数日から最も長い予測で数ヶ月程度ではありますが、見た目上、地球は太陽を2つ持つ惑星となります。
 
 太陽とベテルギウスは遠く離れているため、地球とベテルギウスの間に引力の関係はありませんので、厳密には太陽が二つあるとはいえません。ですが、地球が二つの太陽を持つ惑星となる、と考えた方が楽しくなりますよね。

 実際に二つの太陽を持つ惑星があるのかどうかについては、長年否定的に考えられていました。地球は太陽の重力の影響を大きく受けています。太陽が二つになるということは、惑星のすぐ近くに巨大な重さの物体が2つ、しかもそれらがお互いの周りを回っていますので、惑星が受ける重力の影響は刻々と変化します。そのような重力の安定しない環境では、惑星は安定した公転軌道を保つことができず、惑星は宇宙の彼方に放り出されてしまうか、どちらかの恒星に墜落してしまうかの運命をたどると推測されていました。その考え方を改めざるを得なくなったのが、2011年にケプラー宇宙望遠鏡を使った観測で発見された、連星系ケプラー16Aとケプラー16Bの重心を中心に公転する惑星ケプラー16(AB)bの存在でした。

 ケプラー16Aもケプラー16Bもいずれも太陽と同じ主系列星と呼ばれる星の一生の中で安定して輝き続けてる状態にあります。この太陽を2つ持つ惑星ケプラー16(AB)bの連星系の重心からの距離は太陽と地球の距離よりも少し近い程度の約1億500万km、公転周期は約229日で軌道などの惑星環境は地球とよく似ています。ですが、惑星の構造自体は土星とほぼ同じ大きさがあり、さらに、土星がガス惑星であるのに対して、ガスと岩石が半々の惑星です。この惑星は惑星に生命体が存在できる軌道の範囲、つまり、ハビタブルゾーンのほぼ外側の端にあります。表面温度は-100℃から-70℃です。



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2014-10-05 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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