石炭→(菌)→メタンガス
石炭は地下深くに層を形成する天然資源ですが、この石炭層にはメタンガスが含まれていることが知られていて、近年は新たな天然ガス資源として注目されています。石炭層のに含まれるメタンガスは細菌によって作りされていると考えられていましたが、その仕組みやメタンガスを作る菌は発見されていませんでした。
産業技術総合研究所の研究者らは、石炭をメタンガスに変換する菌を探す研究を続け、石炭中の化学物質からこれまで知られていないような卓越した能力によって直接メタンを作り出す能力を持つ菌、メタミコッカス・シングリエンシス AmaM を発見しました。地下深くに住む AmaM がメタンガスの原料として使用しているのは植物の中に広く存在しているリグニンに由来するものでした。
メタンガスを作り出す菌自体はこれまで150種類以上も知られていますが、これまで発見されたそれらの菌は二酸化炭素などの単純な分子からメタンガスを作り出すものばかりでした。今回発見された AmaM は複雑な構造を持つ植物由来成分から独力でメタンガスを作り出せる点が画期的です。菌が細胞の中でどのようにして植物成分をメタンに変換しているのは謎です。
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