バイオフォトン

9月2日配信のヴォイニッチの科学書 第669回で、ショウジョウバエは脳で光を感じているのかも、という話題を紹介しましたが、それどころか、生物の脳の内部で光子が生み出されているという研究成果が報告されました。 

脳の活動はこれまで電位差、つまり電流で行われていると考えられていましたが、光通信も行われている可能性が出てきた、ということです。もっとも、ホタルイカなど光を使って通信をする動物は決して珍しいものではありません。

哺乳動物の脳が光子を出しているらしいことが最初に発見されたのはもう20年前のことです。その後、光子レベルのわずかな光を検出する観測装置がいろいろと発明され、脳が光を出している証拠が集まりつつあります。脳が出す光子のことをバイオフォトン(生体光子)といいます。哺乳類のバイオフォトンの波長は200から1300ナノメートルの間、つまり、近赤外線から可視光線をはさんで紫外線まで、非常に広い波長範囲でバイオフォトンを生み出していることがわかっています。

光で脳内通信するためには光ファイバーのような構造が必要です。カナダ、カルガリー大学の研究者らは神経細胞の軸索(長い糸状になっている部分)の光学特性を研究し、2ミリメートルの長さの軸索は46%から96%の伝達効率を持っていることを明らかにし、神経細胞を光ファイバーとして数センチメートル以上にわたって光子信号を伝達することが可能であることを明らかにしました。

バイオフォトン バイオフォトン

今後は脳組織の光学伝達特性に関する研究が計画されています。たとえば、スライスした脳の片方に細胞1個のピンポイントで光を照射し、スライスの反対側に現れている神経細胞のどれかが光るかどうかを観察するような実験です。脳についてはこれまでの電位差で活動を矛盾無く説明することが出来ており、もし、脳が光通信能力を持っていたとしても、それが何のためなのかは不明です。光通信はこれまで知られている脳の記憶や感情ではなく、何かバックグラウンド的な機能に関わっている可能性もあります。

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2017-09-29 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :

二酸化炭素を完全回収する火力発電

火力発電所で発生する二酸化炭素を大気中に放出させない技術の研究が行われています。方式はいくつかありますが、「アラム・サイクル」方式の実証実験用発電所が米国テキサス州でまもなく稼働します。  

この方式の特徴は酸素、二酸化炭素、天然ガスを同時に燃焼させる点にあります。高温と高圧によって二酸化炭素は、液体と気体の中間の特性を持つ超臨界二酸化炭素という状態になります。そして、通常の火力発電所ではお湯を沸かして水蒸気で発電タービンをまわすところ、水の代わりに超臨界二酸化炭素でタービンをまわします。 タービンをまわした高温の二酸化炭素は燃焼炉に戻され、熱を再利用します。

お湯を沸かさないこの方式では発電所の構造が簡単になり、エネルギーロスも少なくなります。問題は現時点ではまだコストが高いことで、化学物質やフィルターによる二酸化炭素回収装置を備えた火力発電所の電力が1キロワット時あたり1056ドルであるのに対しアラム・サイクル方式では1600ドルになると予想されています。これは通常の二酸化炭素を回収しない天然ガス発電と比べると、お話にならないくらい高価な電力になります。


2017-09-28 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :

太陽から2兆kmまで近付く星

ESAヨーロッパ宇宙機関の天体位置測定衛星「ガイア」は、10億個以上の星の座標を決定し、200万個以上の星について距離と天球上の動きも測定しました。

それらの星の一部について、今後500万年間の動きを予測したところ、現在、へび座の方向63光年彼方にあるグリーゼ710が130万年後に太陽から2兆3000億kmの距離まで接近することがわかりました。

最接近時には太陽系の内部に進入し、彗星の巣といわれているオールトの雲の中を突き進むことになり、オールトの雲を激しくかき回すことによって彗星の軌道が予測できない変化をするかもしれません。

下の写真はグリーゼ710太陽に最接近した時に、グリーゼ710から眺めた太陽の想像図です。
太陽から2兆kmまで近付く星


2017-09-27 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :

犬にも感情があるか?

イヌに感情かあるかどうかは意外と難しい問題です。イヌを飼っている多くの人は「イヌに感情があることは見ればわかる、飼い主である自分を愛してくれている」と思っているかもしれませんが、イヌが飼い主に「愛情」という感情を持っているか、それとも単に、エサをくれる何かだと思ってエサを有利にもらえる行動を反復しているだけなのか、を区別することは困難です。  

そこで、米国エモリー大学の研究者らはMRI(磁気共鳴画像装置)検査をおとなしく受けるようにイヌをしつけ、イヌにさまざまな刺激を与えたときの脳の活動を調べる実験をしました。MRIは検査中に大きな音が出るのでその音に犬を慣れさせるのがタイヘン・・・かと思ったら、そうでもなく、1年で20匹くらいのMRI犬をつくることができたということです。  

人間がある仕草をした後に必ずエサを与えることを学習させたイヌをMRIに入れたところ、人間が仕草を見せただけで脳の報酬経路が活性化しました。イヌが喜んだ時に活性化する部位は人間の脳と一致する尾状核というドパミンが放出される部分であることも確認できました。尾状核は、人間やイヌが何かを期待しているときに活発に活動します。

次に、イヌは人間に対する愛情があるのか、あるいはエサをもらえるという利己的な遺伝子の都合による行動を飼い主が勝手に愛情と勘違いしているだけなのかについて調べました。人間による食べ物を与える行為と、褒める行為、どちらが脳の報酬経路がより活性化するかを比較したところ、イヌによってどちらを好むかはバラバラだったものの、大半のイヌは、食べものと褒められることの両方に、同じ程度の反応を見せるという、判断の難しい結果になった、ということです。


2017-09-26 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :

ヴォイニッチの科学書 第672回 エアロアイス~氷は空気より軽くなれる~

下の写真はエアロアイスの内部のコンピューターグラフィックスによる想像図です。赤い球は酸素原子、緑色の球は水素原子で、すき間が非常に多いことがわかります。ではエアロアイスとはなんでしょうか?

ヴォイニッチの科学書 第672回 エアロアイス~氷は空気より軽くなれる~

岡山大学の研究チームが、理論上は空気より軽い氷を作ることもできることをコンピューターシミュレーションで発見しました。実際に作り出されたことはありませんが、理論上は水の結晶の密度には下限が無いようです。

氷を圧縮して密度を高めると、分子レベルで構造が変化し、そのバリエーションは 13 種類見つかっています。家庭のフリーザーでできる氷は、雪と同じ六角形の分子配列をしていますが、それもバリエーションの一つです。

逆に、氷を引き延ばした場合にも構造は変化しますが、実験が難しいので、今のところ結晶構造は2 種類しかみつかっていません。岡山大学の研究者らはもっとたくさんのバリエーションがあるのではないかと想定しました。  

ケイ素結晶などの情報を参考にして、コンピューター上で希薄な氷の推定構造を設計し、シミュレーションでそれが現実世界で安定して存在しうるかどうかを確認することを繰り返しました。300 種類もの構造をシミュレーションした結果、現実世界で存在可能な構造がいくつもみつかり、著しく低密度な構造も可能性としてありうることがわかりました。

空気のように希薄な氷も成立することがわかり、エアロアイスと名付けられました。最も密度の低いエアロアイスは、空気よりも軽いものでした。エアロアイスを実際に作る方法はまだ発見されていない点が残念です。


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2017-09-25 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :

「利き」はいつ獲得されるか

人間には「利き手」がありますが、右利き、左利きのような行動は人間以外にも様々な動物に広く見られる現象です。ですが「利き」を発達段階でどのように獲得するのかはほとんどわかっていません。名古屋大学と富山大学の研究チームは、行動に左右差がある動物の代表とされる鱗食魚を対象にして、利きの獲得過程を調べました。

鱗食魚はアフリカに生息し、獲物の魚の鱗を食べて栄養源としていますが、口が右にねじれて開く個体と左にねじれて開く個体が存在します。右顎が大きくて左に口が開く「右利き個体」は獲物の右体側の鱗を、左顎が大きくて右に口が開く「左利き個体」は獲物の左体側を好んで狙います。この性質はヒトの利き手と共通した点が多いと推察されています。

「利き」はいつ獲得されるか

鱗食魚の利きの発達過程を調べる実験から、鱗食魚には生れた時から捕食に有利な方向に違いがあり、鱗食経験からの学習を通じて幼い頃はランダムであった襲撃方向が成長につれて有利方向へと統一され、効率的に鱗食できるようになる(=利きが完成する)らしいことがわかりました。つまり、行動の左右差は生まれつきで鱗食魚が自分の利きが左右どちらであるかを自ら学習し獲得するということです。

ヒトの利き手も、幼少期においては利き手は暖昧であることや、年齢を経ると利き手の度合いが強くなる、といった鱗食魚と似た経過をたどります。今後はさらに「利き」がどのように脳内で制御されているのか、という点が興味の対象となりそうです。


2017-09-22 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :

脳のシワに重要な神経細胞を解明

小さな実験用ネズミとして販売されているマウスやラットは脳の機能研究にもしばしば用いられます。神経細胞レベルの研究であればヒトもネズミも細胞機能は似ていると考えられますが、脳全体の機能を研究するにあたってはヒトとネズミの脳では見た目が違いすぎます。では、どのようにすればその違いを克服する研究ができるのでしょうか・・・というお話です。

脳のシワに重要な神経細胞を解明

人間がほかの動物よりも知的活動が得意な理由は大脳皮質の表面に存在するシワだと考えられています。脳回と呼ばれるこのシワにより、脳は表面積が増大し、多くの神経細胞を持つことが可能になり脳機能を発達させることができました。

ところが、脳の実験にしばしば用いられるマウスには脳回がないので脳のしわに関する研究はあまり行われていません。 金沢大学の研究者らは脳回のある哺乳動物フェレット(上写真)を用いて、大脳皮質に脳回が作られる仕組みの研究を行いました。

その結果、Cdk5という遺伝子を書き換えて機能を失わせると脳回が異常になることが発見され、この遺伝子が働くことが脳回を作るために重要であることが明らかとなりました。

下の写真は左側が正常、右側がCdk5が機能していない状態の脳の特定部分の断面写真です。左の写真で▲印の付いた脳回が右側では失われていることがわかります。

脳のシワに重要な神経細胞を解明


2017-09-21 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :

世界初のアサガオのゲノム編集

青い花を咲かせる品種は希少で、サントリーフラワーズが長い年月をかけて青いカーネーション「ムーンダスト」、青いバラ「アプローズ」を品種改良で作り出したことは有名で、無謀と思われても根気よく研究を続けることでやがて成果が得られることを示す例としてよく語られます。

品種改良は研究者の理想により近い物同士を掛け合わせてさらに理想を目指す手法ですが、近年の遺伝子書き換え技術の進展に伴い、遺伝子を直接編集することによって植物の性質を変えよう、という研究も進んでいます。

世界初のアサガオのゲノム編集

CRISPR/Cas9(クリスパー/キャスナイン)は、狙った場所でDNAを切断できる酵素を利用したゲノム書き換え技術の一つです。この技術を使って世界で始めてアサガオの遺伝子書き換えを行い、紫色のアサガオを白に変えることに筑波大学と農研機構の研究グループが成功しました。上の写真の右側が自然種、左側が遺伝子を書き換えて作り出された人工種です。

紫色の花を咲かせる品種ムラサキの紫色色素アントシアニンを作り出す酵素の遺伝子を書き換えて働かないようにしたところ、1/4の確率で白いアサガオが咲きました。これらの白いアサガオは花の色以外は遺伝子を書き換える前のアサガオと性質の違いはなく、種もできて、その種からは白いアサガオが咲きました。

自然界でも突然変異で白いアサガオが咲くことがありますが、非常に珍しいことで、品種の改変には自然の突然変異よりも遺伝子書き換えが圧倒的に有利であることを示しています。


2017-09-20 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :

温暖化で魚が小型化している

気候の変動や豪雨災害などが続き、国内で確保できる食糧の量が確実に減少しています。先日、行きつけの居酒屋チェーン店に行って刺身を注文すると、以前は桶にたっぷりとダイコンが入ってその上に刺身が持ってあったのに、ダイコンがほんのちょっとに減らされて、桶をのぞき込まないと刺身が見えないレベルになっていました。収穫量の減少による価格の上昇が原因かと思われますが、陸地の作物だけではなく、海にもその影響は出始めているようです。

温暖化で魚が小型化している

カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学の研究者らが気候変動による海水温の上昇と海水に溶ける酸素の減少によって、マグロ(上写真)や、サケ、オナガザメ、タラなど、あらゆる種類の魚が急速に小型化していると発表しました。

海水温度が上昇すると、海水に溶け込む酸素の量が減るために、魚の活動に必要な酸素量をまかないきれず、特に大型の魚では酸素が足りなくなってしまうことが原因で、水温が1度上昇すると20~30%も小さくなると予測されています。  

これは「エラ酸素制約理論(Gill-Oxygen Limitation Theory)」に基づいており、魚の身体は容易に大きく成長できるものの、エラの大きさは身体の大きさに伴って巨大化はしないため、魚の大きさはエラの成長能力によって制約を受けるという理論です。  北極圏のような海水温の上昇が著しい海域ではすでにタラやニシン、ヒラメなどが小型化していることも確認されています。


2017-09-19 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :

ヴォイニッチの科学書 第671回 病は気から、の分子メカニズム

最新科学情報ポッドキャスト番組「ヴォイニッチの科学書」2017年9月16日配信開始(有料版)の最初の話題は「病は気から、の分子メカニズム」です。

仕事に追われ、スマホが常に手元にあって他の人といつもつながっている今の時代、ストレスのない暮らしを求めるのは困難なことですが、ストレスは本当に胃に穴を空けることがメカニズム的に解明されています。気分転換を心がけて肉体への負担を軽減したいものですね。

健康な脳は周囲の血管との間にバリヤを構築して栄養以外の物質の流入を阻止しています。ところが、多発性硬化症を発症すると脳の血管に免疫細胞の通路が形成される「ゲートウェイ反射」が起き、そこを通って免疫細胞が入り込んで脳に炎症が発生します。

そもそも多発性硬化症の発症には病原性 CD4+T細胞と呼ばれる免疫細胞が関わっています。その影響力は強大で健康なマウスの静脈内に、病原性 CD4+T 細胞を注射すると多発性硬化症を発症するほどです。 北海道大学の研究者らは慢性的なストレスと多発性硬化症、そして消化器系や心臓などの機能障害を関連付ける研究を行いました。

その結果、多発性硬化症単独もしくは慢性的なストレス単独でマウスが死亡することはありませんでしたが、慢性的なストレスを与えたマウスに病原性 CD4+T 細胞を注射して多発性硬化症を発症させると、そのマウスは突然死することがわかりました。この突然死の原因はストレスを受けやすい臓器として知られる胃・十二指腸の炎症性出血による心臓機能の低下でした。

ヴォイニッチの科学書 第671回 病は気から、の分子メカニズム

この時、多発性硬化症病原性 CD4+T 細胞は海馬周辺の特定の場所に出来た血管の通路から脳の中に侵入していることが確認されました。より詳細にその仕組みを調べたところ、脳内で発生した炎症により、神経細胞が刺激されて神経伝達物質ATPが分泌され、分泌されたATPによってさらに別の神経回路が活性化し、消化器系の不調を経て心機能低下が生じていることがわかりました。このことは「病は気から」の分子機構の一例を表していると考えられます。

このような脳内の炎症が神経回路を活性化することで臓器の機能を低下させるという現象が確認されたのは世界で初めてのことです。


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2017-09-18 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :

上海長征病院が3Dプリンター技術を利用し、世界初の全頚椎置換を実現

上海長征病院は頚椎の7つの骨(下図)を3Dプリンターで作成したチタン合金製の人工骨に置換する手術に成功しました。これは世界初の全頚椎置換手術です。

上海長征病院が3Dプリンター技術を利用し、世界初の全頚椎置換を実現

7つの人工頚椎の作製期間は3週間、材料は人体が拒否反応を引き起こす可能性がなく、強度と硬度が十分あるチタン合金です。 3D プリンターを使って緻密な内部の空洞構造を作ることが出来たため、スポンジ状の人工骨を作ることができました。すき間の多い構造のおかげで、人工骨は周囲の骨となじみ、骨の再生を促し、最終的に人工骨と周囲の骨との融合を実現することが期待されます。

2017-09-09 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :

太陽の核は表面より4倍速く回転

太陽の核が表面に比べて約4倍も速く回転していることが明らかになりました。地球の内部の構造が地震波を調べるとわかるのと同様に、太陽の内部を動く波を研究した日震を研究した結果です。下の図は太陽の内部構造と日振の伝わり方です。

太陽の核は表面より4倍速く回転

仏・コートダジュール天文台の天文学者らは太陽観測衛星「SOHO」による16年分のデータを解析し、太陽内部の震動を明らかにしました。その結果、太陽は極域で35日、赤道域で25日の周期で表面が自転し、核の自転速度は約4倍も速いことがわかりました。 回転速度の異なる層がどのように相互作用するのか、などは今後の研究課題です。


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日本の学術地位低下鮮明に

文部科学省科学技術・学術政策研究所がまとめた国内外の研究動向によって学術の世界における日本の相対的な地位の低下が明らかになりました。
発表した論文がどれほど多く参考文献として引用されるかを指標とした今回の調査では1位は米国、2位が中国、3位が英国で日本は9位でした。10年前の調査より5ランクも落ちています。

2017-09-09 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :

地球上で可能な最大サイズまで巨大化した恐竜

アルゼンチンの博物館が発見した、約1億年前の白亜紀に生息した巨大恐竜「パタゴティタン・マヨラム」が、新種として学術誌に記載されました。この恐竜は体長40メートル近く、重さは70トンもありました。地球上に現れたすべての陸上生物の中で最も体重が重い生物だと考えられます。

下の図は人間の大きさと比較したものです。人間は片足の大きさにも足りません。

地球上で可能な最大サイズまで巨大化した恐竜

この博物館の研究者らは1年がかりで化石を掘り出し、2016年に復元骨格が米ニューヨークのアメリカ自然史博物館で展示されました(下写真)。

地球上で可能な最大サイズまで巨大化した恐竜

パタゴティタン・マヨラムはティタノサウルス類が巨大化したと考えられていますが、それら元の種は体重6トン程度、つまり10分の1ほどの大きさしか無いことから、いつどのようにして巨大化したのかも興味深い点です。 ここ数十年で次々に巨大な恐竜の化石が発見されましたが、最近発見される巨大恐竜は1割程度しか大きさの差が無く、どうやら今回のパタゴティタン・マヨラムが地球上で巨大化できる限界サイズなのではないか、と考える古生物学者もいます。


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ヴォイニッチの科学書 第669回 ショウジョウバエは脳で紫外線を感じる

耳だけで楽しめる最新科学情報ポッドキャスト番組「ヴォイニッチの科学書」第669回、9月2日更新は「ショウジョウバエは脳で紫外光を感じる」です。

有料版→ https://www.febe.jp/podcast/voynich
無料版→ http://www.c-radio.net/20170909/voynich_backnum.html

眼から入った光は眼の中の特殊な細胞で神経の信号に変換されて脳に伝えられますが、眼だけではなく脳にも同様の機能もつ細胞があることを京都大学が明らかにしました。光を感じるオプシンという光センサータンパク質には人間の場合4種類のオプシンがあります。

・暗がりで明暗を認識するオプシン
・明るい所で色識別を行う3種類のオプシン

下の図はオプシンの模式図で、7本のコイル状の構造が特徴です。

ショウジョウバエは脳で紫外光を感じる

このオプシンが最近の様々な動物の研究から、脳などでも機能していることが分かってきました。これらの眼以外で働いているオプシンは、視覚とは異なる光認識に関する機能、例えば周りの光環境の変化から時刻や季節を知ることに関わると考えられます。  

生物の実験に良く使用されるショウジョウバエでは人間よりも多い6種類のオプシンを眼に持つことが分かっています。さらにショウジョウバエは「第7のオプシン(Rh7)」と呼ばれるセンサータンパク質を持つことが知られていましたが、Rh7は眼では働いておらず、どこで何をしているのかわかっていませんでした。

そこで、京都大学の研究者らがRh7の性質を調べたところ、紫外線を中心に可視光の青色の光まで幅広い範囲の光波長に反応することが確認できました。このような広範囲の光波長をカバーできるオプシンはこれまでに知られていません。 さらにRh7は脳内で時刻の認識のために働いていることが明らかにされました。つまり、ショウジョウバエは、脳で光を認識することにより、時刻、あるいは季節を感じ取っている可能性があります。


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食べ物はすべてこんにゃくで良くなる???

慶応義塾大学の研究者らが前歯の裏に装着すると塩味を感じることができるチップを開発しました。大きさは約1センチメートル角、厚さ約1ミリメートルで、ここに食塩3~4粒程度が接触すると舌を刺激し、十分な塩味を味わった感覚にさせる仕組みです。この効果は約6分間持続し、そのあとは自然に溶けてなくなります。このチップを装着した状態であれば料理の塩分を10分の1以下に減らすことができます。

「ソルトチップ」という製品名で実用化し、減塩食を続ける高血圧や糖尿病患者の背一括の質向上に役立つものと思われます。 将来的には複雑な味も表現できるようになって、「とんかつチップ」とか「吉野家の牛丼チップ」とか「サーバルちゃんの汗チップ」とか登場するのでしょうか。そうすればこんにゃくでもとんかつ気分が味わえるのでしょうか・・・。


2017-09-09 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :

熱電発電体は磁性体で作ると構造が簡単で材料も安価

自動車のエネルギー源が電気になり、産業機械が油圧から電動に変わる時代が来ると電気は今よりももっともっとたくさん必要になります。ですが、発電所はそう簡単にポイポイ建設することは出来ませんので、今電気で動いているもののさらなる省エネ化技術の開発は必須です。いくつかの新技術が注目されていますが、熱として捨てられているエネルギーを電気に変換して回収・再利用する技術は環境中に放出される熱をヘラス観点からも注目されています。

これを熱電発電といい、すでにいろいろな材料が実用化されていますが、東京大学が現在の熱電発電材料よりももっと安価でもっと使いやすい材料を発明したようです。

金属や半導体の両端で温度差を作り出すと熱の流れによって電気が発生します。この性質を利用した発電方法を「熱電発電」といいます。また、この現象はゼーベック効果と呼ばれています。

熱電発電装置はローターのような可動部分がないので故障しにくく、発電力は太陽光のように装置の規模に比例するのではなく温度差に比例するのでいろいろメリットがあります。ですが、現在利用されている半導体素子を使った熱電素子は構造が複雑で高価な点がデメリットです。
熱電発電体は磁性体で作ると構造が簡単で材料も安価

東京大学の研究グループは、世界で初めて磁性体の熱電変換材料を発見しました。磁性体の場合は実用的で使い勝手の良いネルンスト効果と呼ばれる性質を利用しています。しかも、マンガン合金のような安価な金属でこの効果が現れることが確認され、これは新たに発見された物理現象です。シート状にも加工可能であると思われますので、凹凸のある熱源の接触面に柔軟に対応でき、熱エネルギーをより効率的に取り込めることが期待されます。
熱電発電体は磁性体で作ると構造が簡単で材料も安価


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ヴォイニッチの科学書 第670回 40周年を迎える探査機「ボイジャー」

最新科学情報ポッドキャスト番組「ヴォイニッチの科学書」2017年9月9日、第670回。最初の話題は「ヴォイジャー40周年」です。
https://www.febe.jp/podcast/voynich

40周年を迎える探査機「ボイジャー」

「ボイジャー1号」と「ボイジャー2号」は、1977年に打ち上げられ今年の8月、9月に相次いで打ち上げ後40年を迎えました。2機のボイジャーはいずれも健在で、今も宇宙を探査し、データを地球に送り続けています。

ボイジャー1号は木星と土星に接近して観測を行った後に2012年に太陽系を飛び出し、恒星間空間へ入った人類史上初の探査機となりました。現在は9月の日本から見ると、たとえば会社帰りの夜8時頃であれば頭のてっぺんから少しだけ南の方に下がった方向、210億キロメートル離れた場所にいます。 そして、ボイジャー2号は、木星、土星、天王星、海王星に接近して探査を行った後に、日本からは見えない太陽系の南方向へ飛行しています。こちらもまもなく太陽系を飛び出し、数年のうちに恒星間空間に入ると考えられています。

地球以外の天体にも生命が存在することは確実と考えられていますが、木星の衛星「エウロパ」の表面下に生命の源になり得る海があるらしいことを発見したのはボイジャー2号でした。 ボイジャー1号、2号の観測によって宇宙空間は静かな無の世界ではなく、エネルギー粒子が激しく飛び交う過酷な環境であることも確認されました。 搭載された複数の観測装置の中のいくつかはあと10年程度は動かせるのではないかと推定されています。




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会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。でも、楽しいことしかしません。楽しいことしかできない病、TD! それがおびおなのです。
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Web:ヴォイニッチの科学書
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