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鳥が歌を子孫に伝える脳メカニズム

東北大学はアメリカ・デューク大学、中国・北京大学との共同研究を行い、スズメの一種であるキンカチョウの脳の内部で、歌の模倣に必要な神経回路を発見しました。キンカチョウなどの鳥は、親がさえずる歌を正確に模倣し、その歌を子孫へ伝えることで、世代を超えた文化として歌の伝承を行っています。模倣に当たって、外界の音を全て模倣していては、適切に自分の親の歌声を伝承することはできません。

鳥が歌を子孫に伝える脳メカニズム


この研究で、親鳥から直接歌いかけられたときにだけ、幼いキンカチョウの脳の深部にある中脳の水道周囲灰白質と呼ばれる部位に存在する神経細胞が強く活動することが発見されました。それによって、歌う行動を司る感覚運動野へ神経伝達物質のドーパミン(次図)を放出することが分かりました。

鳥が歌を子孫に伝える脳メカニズム

このことを確認するために、幼いキンカチョウの脳内で、ドーパミンの信号伝達を遮断する実験を行ったところ、聞いた歌を模倣しなくなりました。また逆に、ドーパミンを過剰に放出させると、通常は真似しないスピーカーから流れた歌でも模倣が見られました。ドーパミンは、模倣に関係する脳部位に歌の記憶を形成することで、模倣行動を発動するのだと考えられます。


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2018-11-20 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :

期待すると痛みが軽減するかも



なんらかの期待感によって、痛みの感じ方が弱める脳回路があることが理化学研究所の研究で分かりました。 医薬品の世界ではプラセボ効果というものが知られています。患者さんに、薬ではなく、小麦粉などの実際には治療効果のないものを投与してもなんらかの治療効果が得られる現象のことです。今回は、実験用ラットにプラセボ効果を再現し、その時の脳の活動を解析する実験をしました。 ラットの足の裏に一定以上の強さの刺激を与えると、足を引っ込める動作を示します。足の裏を踏まれると逃げようとするラットに鎮痛薬を与える方法で慣れさせると、やがてプラセボ効果が現れます。 つまり、鎮痛薬を飲んでいないのに、あたかも鎮痛薬を飲んだかのように、踏まれても痛く感じなくなるということです。これは痛みを抑制する神経系が活性化されたことを示しています。 そこで、陽電子放射断層撮影法を使用して、踏まれても痛みを感じないラットの、脳の活動領域を比較しました。その結果、踏まれても平気なラットでは前頭前皮質内側部という脳の部分で、神経活動が上昇していました。この領域でプラセボに対する期待感が生み出され、それによって踏まれても痛くなくなっているようです。
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ウィルスって何?

ウィルスとは遺伝子としてDNAまたはRNAを持ち、その遺伝子の周囲をタンパク質の殻で覆った粒子です。それ自体単独で増殖することはできないので、細胞とは舞った異なるものです。子孫を自力で残すことができないので、生物の定義には当てはまらず、かといって、単なる物質とも異なるため、生物と非生物の中間的存在として扱われます。

細胞に感染する性質があり、感染した先の細胞の機能を使って複製を作成し、増殖します。どのような生物に感染するかによって、動物ウィルス、植物ウィルス、細菌ウィルに分類できます。ウィルスの大きさは20ナノメートルから300ナノメートルで、人間の細胞から比べると見えないほど小さく、かなり小さな大腸菌よりもさらに小さな粒子です。

ウィルスの見た目はいろいろで、正20面体をしたアデノウィルスのように、いかにもな粒子の形をしたものから、螺旋形をしたたばこモザイクウィルスのように生物のような見た目のものまで様々です。ウィルスの殻にはスパイクという突起があり、これをつかって自身が感染するにふさわしい細胞を認識し、細胞表面への結合を行います。

細胞に付着したウィルスは自身の殻を細胞膜と一体化して、殻の中のDNAまたはRNAを細胞内に放出します。ウィルスのRNAは細胞の逆転写酵素によってDNAが作られ、ウィルスDNAは感染した細胞のDNAに組み込まれます。感染された細胞はウィルスの部品をDNAからせっせと作成し、細胞膜表面に運び出します。運び出されたウィルスの部品は、もとのウィルスの形に再構成されて、細胞から分離していき、それらは次の細胞へ向かいます。多くの場合、ウィルスの増殖に使われた細胞は、こき使われた挙句に死んでしまいます。

なお、ウィルスは細菌とは全く違うので、ウィルスが原因の病気に抗生物質は効きません。たとえば風邪などがそうで、風邪をひいて抗生物質を飲んでも何の効果もないばかりか、抗生物質の効かない耐性菌を作り出してしまい、逆に非常に危険です。


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おびおのプロフィール

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Author:おびお
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。
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