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光合成って何?

光合成は光のエネルギーを使って、植物が二酸化炭素を取り込み、有機化合物を生成する過程のことです。しばしば、酸素を作る過程と誤解しがちですが、植物にとって酸素は、光合成の過程でできたゴミです。だから、大気中に放出して捨てるのです。人間も含め、植物以外の地球上の生物全ては、植物の食べ残しのゴミをありがたく頂いて生きているのです。

光合成って何?

化学的には6個の二酸化炭素分子と、12個の水分子から1個のグルコースを作って、6個の酸素がゴミとして排出されます。

私たちが口にする食べ物はすべて、究極的には光合成がもとになっていると言っても良いですし、地球大気の酸素のほとんどすべては植物の光合成によって作られたと考えられています。光合成は非常に効率がよく、すばらしい化学反応なので、多くの科学者は光合成を試験管内で再現して、有機化学物質のクリーンでローコストな製造方法に応用しようと研究を続けていますが、現時点で植物同等の反応には成功はした人はいません。

光合成に関する科学者の最大の疑問点があります。それは、原料が水だということです。水は私たちの身の回りの至る所に存在する、非常に安定な化学物質です。何をしても分解することのない水を、どうしていとも簡単に植物は分解して酸素原子を取り出し、グルコースの原料にできるのか、それを解決しなければ人工光合成は実現しそうにありません。

しかし、この10年で大きな進歩がありました。葉緑体の中で水を分解する工場ともいえる、PS2というタンパク質でできた装置(次図)の構造が明らかになりつつあるのです。

光合成って何?

5種類あるPS2のコア部分の構造のうち、3種類までが明らかになり、残り2種類を明らかにすれば、パラパラ漫画のように水の分解メカニズムが明らかになります。成功すれば、有機化学物質の生産に革命を起こし、ノーベル賞は間違いなしの人工光合成、数年以内についに実現しそうです。


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2018-11-22 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :

無人宇宙貨物船こうのとり



無人宇宙貨物船こうのとり
画像は6号機(提供:JAXA)

無人宇宙貨物船、正式には宇宙ステーション補給機「こうのとり」はJAXAの宇宙補給機です。製造は三菱重工業を中心に、三菱電機、IHIエアロスペースなどによって行われます。

こうのとりの仕事は国際宇宙ステーション(ISS)で使う実験装置や宇宙飛行士の食糧、身の回りの品の輸送です。最新は9月28日に国際宇宙ステーションに到着した7号機です。7号機には、これまでで最も重い約6.2トンの貨物が搭載されました。その内容は、日本製リチウムイオン電池を使用したISS新型バッテリ、アメリカやヨーロッパの大型実験ラックなどで、これらは大きすぎて、こうのとり以外の補給機には搭載ができません。また、超小型衛星を3機を輸送し、ISSからの放出に成功しました。北海道、宮城県、岡山県、愛媛県、佐賀県産の生鮮食品も、鮮度を維持したままISSへ送り届けることができました。今後は宇宙空間でも国産の新鮮な野菜や果物が食べられるようになりそうです。

こうのとりは、ロールケーキのような円筒形で、長さが9.6メートル、直径は4.4メートルです。ロケットで打ち上げたのちにISSに接近し、ISSのロボットアームでつかんで結合する仕組みです。荷物を運んだあとは、使い終わった実験器具やISSでの生活で出たゴミなどを最大6トンまで積み込んで放出され、大気圏に突入して燃え尽きます。 こうのとりの運用は2019年度までの予定で、その先は設計を大幅に変更した新型機HTV-Xが運用される予定で、現在、開発計画が進んでいます。
2018-11-22 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :

アスピリンの抗がん作用

バファリンAの主成分でおなじみのアスピリンですが、良く知られている鎮痛解熱の他にもたくさんの作用があることが最近わかってきました。もともとアスピリンは20世紀の研究においてプロスタグランジンが体内で作り出されることを妨害することがその中心的作用であることがわかっていました。プロスタグランジンは痛み、炎症、発熱、血液凝固などを引き起こす物質です。 米国を中心に病気に関わらずアスピリンを常用している人は多く、年間1200億錠ものアスピリンが消費されています。それによって、潜在的に心臓発作なども防がれているものと推定されています。  

最近の研究でアスピリンに新たな作用があることが発見されました。それはがん細胞の転移を抑制する作用です。しかも、この作用は以前から知られていた抗炎症作用とは全く異なるメカニズムのようなので驚きです。  

がん細胞の転移について簡単に説明すると、主要組織から血管中に入り込んだがん細胞は特殊なワザを使って血小板ちゃんをたぶらかし、血小板ちゃんに取り囲まれるようにして白血球の目をごまかして体内を移動します。その後、適当な臓器に入り込むと、腫瘍組織の旺盛な増殖力を賄うために、新たな血管を腫瘍細胞の中に引き寄せます。これを血管新生作用といいます。  

アスピリンのがん転移抑制を確認するためにマウスにアスピリンとがん細胞を血管内投与したところ、血小板ちゃんはがん細胞を保護しなくなり、血管新生も起きなくなるダブルの効果が確認されました。アスピリンは血液細胞に対し、遺伝子レベルで作用しているようなので、アスピリンの投与で活性が変化する遺伝子を血液細胞で網羅的に調べたところ、60種類もので因子に影響を与えていることがわかりました。具体的な作用メカニズムはまだわかっていませんが、アスピリンは複数の遺伝子に総合的に働きかけ、血小板の性質を、がん細胞に騙されない性質に変えているらしいことがわかりました。 

アスピリンの抗がん作用

すぐにがん細胞にだまされる血小板ちゃん


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