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星がブラックホールになる瞬間が見えた

今から2億年以上前、地球は恐竜の時代に、小型の渦巻銀河CGCG 137-068で超新星爆発した星の光が、2018年6月に地球に届いていました。この超新星は通称「カウ(Cow)」と呼ばれており、米ノースウェスタン大学を中心とした世界各国の共同研究チームが解析を進めた結果、ブラックホールが誕生する瞬間の情報が得られていたことが明らかになりました。  

超新星爆発は頻繁に観測されていますが、カウは近年検出されたものの中では最も地球から近いため、詳細なデータを得ることができました。カウは短時間で非常に明るくなり、X線で観測すると、通常の超新星の最大数十倍も明るく輝きました。一般的な超新星が数週間かかってピークの明るさになるのに対し、カウはわずか数日でピークの明るさに達した点も非常に珍しいことでした。また、カウが超新星爆発によって宇宙空間に放出した物質の量を計算したところ、その量は驚くほど少なく、おそらく太陽の質量の10分の1程度しかありませんでした。超新星爆発を起こす星は太陽よりもはるかに重い星なので、普通、超新星は太陽の数十倍の物質を放出します。

星がブラックホールになる瞬間が見えた

その上、放出された物質の中には水素とヘリウムが含まれていました。これも不思議なことで、超新星爆発を起こす星は、水素やヘリウムのような軽い元素は使い尽くしているというのがこれまでの常識でした。  

解釈の難しいカウの正体ですが、研究チームは2つの可能性を検討しています。一つはカウの中心核が強い磁気を持ち、1秒あたり約1000回という猛スピードで自転している中性子星である可能性。もう1つは、青色超巨星と呼ばれる高温の巨星が爆発しそこなってブラックホールになった可能性です。  

ブラックホールであれば、星の内部の物質のほとんどがつぶれてブラックホールを形成し、はじき出された物質もブラックホールのまわりの円盤に降着するため、星の質量の大半が宇宙空間に放出されることが無くても説明がつきます。  

今後数年間観測を続け、X線の放出が収まれば、カウはブラックホールの誕生の瞬間だった可能性が非常に高くなります。
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2019-02-05 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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