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超巨大加速器FCC

欧州原子核研究機構(CERN)が、現在運用中の世界最大の衝突型円型粒子加速器、大型ハドロン衝突型加速器(LHC:Large Hadron Colider)よりもさらに巨大な加速器Future Circlar Colider(FCC)の建設計画を発表しました。

加速器は粒子を光の速度に近い速度まで加速し、正面衝突させて発生する素粒子などを分析する装置です。LHCもFCCも地下にドーナツ状のトンネルを設置する円形加速器ですが、加速器の長さが長いほど強力なエネルギーを生み出すことができます。現在運用されているLHCの円周は27キロメートルですが、FCCの計画はそれをはるかに超える一周100キロメートルで提案されています。建設費用の概算は240億ドル、ざっと3兆円に達します。得られる粒子衝突エネルギーはLHCの6倍です。

超巨大加速器FCC

この宇宙がなぜこのようであるか、あるいは、宇宙誕生の瞬間に何が起きたのかはまだわかっておらず、理論物理学によって解釈が進められている状況です。LHCも巨大な加速器ですが、LHCでは解明できていない問題も多数あり、さらなる強力なエネルギーが必要とされていますが、科学者の間でもFCCでいいのか、という疑念はあります。FCCはLCHの6倍とは言っても、ブラックホールや宇宙そのものが誕生する際のエネルギーに比べるとはるかに小さなもので、それでどこまで宇宙や物質の根源に迫れるだろうか、という不安にも似た疑問です。

仮に、科学の領域に投資対効果という概念を持ち込むなら、3兆円でアルツハイマー型認知症の治療薬研究をする、病気を持って生まれてくる子供たちの遺伝子治療の研究をする、ハッブル宇宙望遠鏡の後継となる可視光望遠鏡を建造する、いろいろできるわけで、それらの方が明らかに投資対効果は大きく、かつ確実なはずです。  

日本ではLHCの後継として計画されている国際リニアコライダー(ILC:International Linear Collider)も日本主導で進めていますが、建設にかかる1兆円の費用などの問題もあり、国内誘致の表明にはいまだ至っていません(表明期限は2019年3月7日)。

超巨大加速器FCC

一方で中国は陽子・陽子衝突型加速器(SPPC:Super proton proton Collider)の建設計画があり、こちらは確実に建設されるとみられています。 LHCは2012年にヒッグス粒子を発見しましたが、その後は素粒子の発見においては成果が出ていません。
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2019-02-11 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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