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食器で味をコントロールする

食器で味をコントロールする研究が広がりを見せています。この研究は健康上の理由で塩分が摂取できない人にも、塩味の効いた食事を楽しんでもらったり、わずかの糖分で十分な甘みを感じたり、味を電気信号に変換して遠隔地に転送することも可能にします。  

産業技術総合研究所は塩味を感じるフォークを開発しました。そのまま食べると塩味の足りないチーズや肉をこのフォークで食べるだけで塩味を感じることができます。このフォークは「電気味覚フォーク」と呼ばれており、持ち手の部分が陰極、食材に刺す先端の部分は陽極となっていて、このフォークで食材を刺して口に運ぶと味を感じる細胞に電気刺激が加わる仕組みです。舌には塩味だけではなく、酸味・甘み・苦味・うま味も感じる仕掛けになっていますが、このフォークが塩味を感じる龍はよくわかっていません。食材の味を知る脳が想像を働かせることで、舌への電気刺激を味として錯覚している可能性が指摘されています。ちなみに、これで甘いものを食べるとアルミホイルをかんだような電気を感じる刺激があり、美味しくないそうです。

塩味と酸味を感じるのは「イオンチャネル」というたんぱく質で、電気刺激によってイオンを流したり止めたりすることができるので、味を再現できるものと思われます。一方で、甘味は細胞に味物質が結合して味を感じるため、電気刺激がメカニズムのこのフォークは向いていません。

このほか、東京大学ではあごと首に電極を装着して、口の中の食べ物のイオンを移動させることによって味の強弱をつける装置の開発に成功していますし、明治大学の研究者らは、かむことによって口の中で発電するガムを開発中です。こちらは味のないガムを噛んで味覚を感じさせようとする研究です。

味覚の完全なコントロールに成功した例はまだありませんが、今後の研究で味覚を作り出す装置の発明と味覚のメカニズムの解明がセットで進んでいくものと思われます。


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2019-02-22 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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