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筋肉への信号を音声に変換

カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームが、人間の思考からの自動音声合成について、新たな方法を開発しました。会話時に使用される、唇、舌、顎、喉頭などを動かすための脳からの信号を読み取る脳コンピューター・インターフェイスです。従来研究されていた音声合成方法は、脳の会話に関する神経細胞の活動を読み取ろうとするものがほとんどでしたので、筋肉を動かそうとする信号を読み取るこのアプローチは新しい考えです。

研究チームは、5人のてんかん患者に文章を読み上げてもらい、脳の活動の様子を皮質脳波法と呼ばれる方法で、頭部皮膚に張り付けた電極パッドで読み取りました。この信号からコンピューターで合成音声を作り出したところ、生成された音声の50~70%は理解可能な音声でした。

このシステムの特徴は、脳内神経細胞の会話アルゴリズムを読み取るのではなく、筋肉を動作させる信号を読み取っている点にあります。脳神経細胞は発話だけでなく、あらゆる生命活動の信号をやり取りしているため、会話に関する情報を取り出そうとしてもノイズが多くなり、なかなかうまくいかないのです。

しかし問題点もあり、同じ文章を黙読してもらったところ、合成された音声は適切な言葉になりませんでした。このことは、筋肉がマヒするなどでまったく口が動かせない人から取り出した信号では会話が成立しない可能性を示唆しています。

 言語に関する脳コンピューター・インターフェイスは盛んに研究されており、その用途は発話が困難な人の生活支援のほか、頭で考えたことをそのまま文字入力したり、装置の操作に利用したりする、新しい入力デバイスなどの開発につながるものと期待されています。


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2019-06-10 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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