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よく噛むことがボケ防止につながる理由

認知症になる危険因子の一つに歯がなくなること、が以前から言われていました。さらに、歯を使って物を噛む動作(咀嚼)をすることが、脳の「記憶を蓄える機能」の維持に重要な役割を果たすことが明らかとなりつつあります。近年、咀嚼により脳の様々な部位が活性化されることが、機能的磁気共鳴画像法(fMRI) などの脳機能イメージングの手法によって明らかにされ、咀嚼は脳機能に影響を与え、ひいては全身の健康維持に寄与する可能性が提唱されています。しかし、そのメカニズムについては不明な点が多く残されているのが現状です。

東京医科歯科大学などの研究グループは、咀嚼時に脳内で働く運動制御機構に着目し、食物を力強くすりつぶす「奥歯(臼歯)」と、繊細な力で物を咥えたり噛み切ったりする「前歯」を介した二つの咀嚼様式について解析を行いました。実験協力ボランティアに「奥歯で噛む」、または「前歯で噛む」を行ってもらいながら、咀嚼筋(噛む時に働く筋肉)の筋活動とfMRI による脳活動の解析を同時に行いました。

その結果、「奥歯で噛む」時は、噛む力が大きい程、脳内の力強く噛む機能がより強く働くことが示され、逆に「前歯で噛む」時は、噛む力が小さい程、脳内の繊細に力をコントロールする機能がより強く働くことが明らかとなりました。この結果は、咀嚼という行為は脳の異なる二つの領域で制御されていることを示しています。

この研究のみでは咀嚼と痴呆の関係は明確にはなりませんが、咀嚼に関わっている脳領域をさらに詳細に調べることによって、痴呆防止に咀嚼が役立つことが科学的に示されるものと期待されます。

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2019-07-01 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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