FC2ブログ

地球温暖化で台風は強力になっているのか

近年、中央アメリカや日本近海のハリケーン、台風が強烈になっているという説があります。つい先日も台風15号が千葉県などに甚大な災害をもたらしましたし、カリブ海では史上最強級のハリケーン「ドリアン」が島国バハマを襲いました。ドリアンの最大風速は秒速83メートルにも達しました。

しかし、ハリケーン・台風の1個ずつを地球規模の温暖化現象と関連付けて解釈することは困難です。ハリケーンや台風が強烈になっている事実は海水温の上昇や日本であれば偏西風の変化などと関連付け、それらの結果として考察する必要があります。

科学者らの総論としては、地球の温暖化に伴い、台風はより強力になる傾向をたどると予測しています。さらに、温暖化によって台風を押し流す風の速度が下がり、進み方がより遅くなって、降水量もより多くなることを示唆する研究結果も増えています。その理由は、台風にとって暖かい海水は燃料の役目を果たすからです。

今年は日本のすぐ近くでいくつかの台風が発生しました。これは、これまで見ることのできなかった傾向です。日本上空には強烈なジェット気流の偏西風 が南北に蛇行しながら吹いています。蛇行の結果、気圧の谷が連続して発生します。この気流に変化が生じると共に日本近海の海水温が上昇すると、日本付近で気圧の谷に大量の水蒸気が流れ込むことになり、熱帯低気圧に成長し、北半球では、地球の自転が生み出すコリオリの力 の影響で、熱帯低気圧は反時計回りに渦を巻き始めます。暖かい海綿状では上昇気流が発生していますので、この上昇気流が熱帯気圧の渦にさらにエネルギーを与えて強大化し台風となります。

つまり、地球が温暖化したから台風が強力になったのではなく、地球環境の変動により、海水温が変化したり、上空のジェット気流の流れに変化が発生したりしたことによって、その結果起きる多くの出来事の一つとして台風の強烈化があるということになります。

NASAによる研究では台風の発生には海水表面温度が26度以上必要ですが、その海域が次第に北上し、ついに日本近海に到達したということになります。 


この記事は科学のポッドキャスト「ヴォイニッチの科学書」です。 ヴォイニッチの科学書は毎週ホットな科学の話題をわかりやすいまとめて配信しています。
毎週1テーマを紹介する無料版は Apple Podcast で聴くことができます。
毎週5テーマを紹介してPDF資料も付く有料版はオーディオブックジェーピーで配信中です。定期購読はこちらからお申し込みいただけます

スポンサーサイト



2019-10-01 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
ホーム

おびおのプロフィール

おびお

Author:おびお
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。
ツイッターアカウント:@cradiobio
ものことごはん:http://obio2.blog.fc2.com/

スヴァールバルの画像保管庫

スポンサードリンク

スポンサードリンク

ワトソンの検索窓

ロザリンド・フランクリンのダイアリー

09 | 2019/10 | 11
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

QRコード

QR