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アマゾン完全燃焼が大気に与える影響

本番組第775回の冒頭で、地球大気が蓄積された歴史と大気中の二酸化炭素量から判断すると、実はアマゾンの森林がなくなっても大気中の酸素量に影響はほぼ無いという報告を紹介しましたが、伐採された樹木が焼却あるい腐敗により分解された時に大気酸素が消費される影響についての検討がなされました。

2008年に発表された論文によるとアマゾンの森林に蓄積している炭素量は 51.1 Gt。1Gt(ギガトン)は1トンの1000倍のさらに1000倍のさらに1000倍。これが全部燃えて二酸化炭素になると 136.2 Gt の酸素が消費され、二酸化炭素は 187.3 Gt生成します。大気中の酸素と二酸化炭素の組成がそれぞれ21%と0.03%だとすると、大気中二酸化炭素は 2,750 Gt、酸素は 1,400,000 Gtとなります。以上に基づくと、アマゾン森林が全焼失しても大気酸素は元の0.000972%しか消費されないので、結局誤差範囲と言えそうです。

 ただし、アマゾン全焼により大気中の二酸化炭素は2,750 Gtから2940 Gtと6.81% 増となり、酸素の問題よりも影響がはるかに大きいように思われます。

気象庁「二酸化炭素濃度の経年変化 」にあるデータによると地球大気の二酸化炭素は 1985 年から 2018 年の 33 年間で 0.0344% から 0.0407% に増加(1985 年から 18% 増)しています。このレベルの増加をもとに地球温暖化が議論されているわけですから、アマゾン焼失による 7% 程度の大気二酸化炭素増加は無視できる値ではなさそうです。焼いた森林は畑に変換するので作物成長分は大気炭素が作物としてアマゾンに戻ります。しかし、森林に比べて畑は、おそらく大気中二酸化炭素を植物の体として固定する量が圧倒的に小さいので大した還元にはならないと思われます。


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2019-10-14 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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