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JWSTで酸素探し

NASAの科学者らは、2021年に打上予定のJWST・ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使って、太陽系外惑星の酸素を観測する方法を発明しました。

JWSTで酸素探し

宇宙は広いので、気温3000度の灼熱地獄の惑星に、液体金属の血液が流れる金属生命体がいる可能性もゼロではありませんが、多くの科学者は、知的生命体が太陽系外惑星系にいるとするならば、地球と似たような環境だろうと考えていますし、太陽系外の生命体を探すにあたって、私たちがどのようなものかわからない生物は探す手段もどのような方法が適切かよくわかりませんので、とりあえずは観測可能な近場の惑星で地球に似た星を観測しようとしています。さらには、光合成をする生物がいて、酸素が大気中に十分あれば、地球型生命は誕生できるのではないかと思われています。つまり、太陽系外惑星系で地球外生命を探すには酸素の存在がキーポイントとなるわけです。

太陽系外惑星系を探す宇宙望遠鏡は複数稼働しており、それらは、中心星の前を惑星が横切ることによって周期的に中心星が暗く見えることを利用したり、巨大惑星に中心星がひっぱられて、ふらつくことによってドップラー効果が表れることを利用したりしています。つまり、惑星に酸素があるかどうかを確認する方法は今のところないのです。

しかし、NASAや米国カリフォルニア大学らの研究によると、JWSTを使って、太陽系外惑星の酸素を観測できる可能性があるということです。少し知識のある方であれば、太陽系外惑星系に酸素があるかどうかを調べるにはその惑星の光のスペクトルを調べればよいではないか、と思われるかもしれません。しかし、実際の惑星大気はそのように単純な組成ではありませんので、実際に観測すると、酸素に特徴的な波長は地球のような雑然とした環境の中ではきれいな波長で検出することができないことがわかっています。したがって、普通に考えると、JWSTのような近赤外線や、ハッブル宇宙望遠鏡のような可視光線に特化した望遠鏡では太陽系外の生命由来酸素を調べることは非常に困難です。

今回の新たな研究では、酸素分子同士、および酸素分子と他の気体分子との衝突を検知するのに使用できる中赤外域の波長が特定されました。この波長はすでにJWSTに搭載されている、中赤外線観測機器・低分散分光器(MIRI LRS:Mid InfraRed Instrument Low Resolution Spectrometer)を用いて観測が可能であることが分かったのです。この新たな手法を使えば、16光年以内にある、地球のような高濃度の酸素を持つ惑星を見つけられる可能性があります。地球大気の酸素濃度は20パーセントですが、それよりも高濃度の酸素を含む大気を持つ惑星であれば、16光年より遠くても検出することが可能です。


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2020-02-11 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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