ヴォイニッチの科学書[無料版]2016年8月6日



スポーツ観戦による感動のメカニズム

早稲田大学スポーツ科学学術院の研究グループは、他人の努力や頑張りに感銘を受ける脳の神経基盤の謎を解く発見をしたと発表しました。
他人の行動を理解するための神経回路は2種類が知られています。

ひとつは「ミラーニューロン」でほかの人の行動の理由を理解する回路です。たとえば、子供がピーマンの肉詰めから肉を取り出そうとしていれば、その子供はピーマンが嫌いなのだな、ということを理解する神経回路です。

もう1つは他人の感情を理解する神経回路で、父親とその教え子の手作りドーナツを子供が満面の笑顔で食べてるのを見れば、その子供は幸せを感じているのだろうと感じることができます。問題はこの二つのメカニズムをどうやって統一した神経の働きとして解析するかにありました。

たとえばゲームが上手そうな若者がUFOキャッチャーで遊んでいてもさほど気には留めませんが、不慣れな小さい子供が悪戦苦闘していれば、取ってあげましょうかと手を差し伸べるかもしれません。また、重そうなトートバッグを肩からかけている人がいたとしてもそれが屈強な男性なら気にも留めないかもしれませんが、お年寄りであれば荷物を持ちましょうかと言いたくなる、そのような行動様式ではなく、それを行っている人の内面感情について、私たちの脳は他の人の努力や頑張りを理解・評価する回路を持っていると考えられます。  

そこで、今回の研究では、他者の努力度の理解に関連する脳領域を特定するために、行為者の頑張り(努力度)が異なる映像を実験協力者に見てもらい、その時の脳活動を計測しました。 その結果、行為者が努力を要する動作の映像を観察した際には右側の側頭頭頂接合部(TPJ)と呼ばれる脳部位が活発に活動することがわかりました。 私たちはスポーツの観戦時に、選手が全力でプレーをしているのを見て、選手に共感し、思わず声援を送ることがあります。他者の頑張りの理解に関連する脳領域を特定したことで、このような他者の頑張りに共感するメカニズムの解明につながると考えられます。さらに、コミュニケーションが苦手である人にとっては、コミュニケーション能力向上につながる方法の開発に貢献できると期待されます。
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2016-08-14 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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苦手な食べ物:シーチキン、レバー、昆虫系
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