Chapter-411 マインドポップ

 日々の生活で、見られて困る雑誌はベッドの下に入れたっけ、のような特定の情報を思い出そうとすることはしばしばあります。

 これらはいずれも、意識して何かを思い出そうとする行為ですが、逆に、思い出すという行為がすべて意識的だとは限りません。

 最近、マインドポップという現象が科学者の間で話題になっています。マインドポップは言葉やイメージ、メロディーなどの断片が突然思い出される現象です。思い出されるのは言葉である場合が多く、注意力をあまり必要としない習慣的な行動をしているときによく起きます。ここで最も注目すべき点はマインドポップのきっかけは周囲の状況や少し前に考えていたことは関係がなく、どこからともなく沸いて出るように思われる点です。

 英ハートフォードシャー大学の心理学者はマインドポップを一種の長期プライミングとして説明できる場合が多いといっています。プライミングとは記憶が示す特徴の一つで先に入った情報が後から入ってくる情報の記憶に影響する現象です。

 日常生活で遭遇する情報のほとんどが何かしらの記憶を活性化させます。たとえば、ケンタッキーの前を通ったら実際に目で見ているカーネルおじさんという概念が活性化されるだけでなく、フォスターの「ケンタッキーの我が家」の音楽や道頓堀川など、多くの記憶が掘り出されるように活性化されますし、さらにそれらの引きずり出された記憶のかけらは無意識のまま数時間から数日にわたって活性化されたままになります。それらが、身の回りで起きた別のことがきっかけになって記憶の表面に呼びだされ、どこからともなく飛び出してきたように感じるのだろうと思われています。

 この現象はクリエイティブな能力を高めるという説もあって、頭の中で多くの異なる概念が活性化されたままでいると概念の意外な関連づけが行われるので、マインドポップが頻繁に起きる人は創造性に飛んでいる可能性も指摘されています。また、頭の中でお気に入りの曲の特定の部分がヘビーローテーションされる人も多いかと思いますが、これもマインドポップと関係があると考えられ研究の対象となっています。
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2012-11-24 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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