オスを殺す細菌

産業技術総合研究所の研究者らは、共生細菌スピロプラズマが宿主ショウジョウバエをメスだけにしてしまう「オス殺し」という生殖操作に関わる重要なしくみを解明しました。

X染色体とY染色体を持つショウジョウバエのオスはメスの半数しかX染色体がないので、遺伝子の活性化を倍増させる役目の「タンパク質-RNA複合体」がX染色体に結合して、1本の遺伝子に2倍の働きをさせています。そうしなければ、ショウジョウバエのオスはX染色体上の遺伝子の産物が半分しかできず、さまざまな機能障害が起きてしまいます。 オス殺しをするスピロプラズマはこのタンパク質-RNA複合体を目印にして染色体に損傷を与えることにより、誕生する前の段階のオスのプログラム細胞死(アポトーシス)を誘導します。スピロプラズマの攻撃を受けた染色体はあちこちに異常な結合や切断を生じます。その結果としてオスは誕生前に死亡し、メスのみが正常に誕生します。  

このような生殖操作はスピロプラズマだけではなく、いくつかの共生細菌が行っています。そのような操作をする共生細菌はメスからメスへと感染して生き延びる生活をしています。そのため、宿主の生殖を操作して自分を次世代に伝えてくれるメスのみを生産させたり、自分が感染していない宿主メスの生殖を妨害したりするのです。オスを殺すほかに、メスだけでの単為生殖を誘導したり、オスをメスに性転換させたりする生殖操作を行う菌も知られています。
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2016-11-26 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :
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