ヴォイニッチの科学書 Chapter-638 磁場と気候の関係

立命館大学の研究グループは宇宙を飛び交う高エネルギー粒子(=宇宙線)が雲を作って地球の気候を変えることの証拠を発見しました。

宇宙線が地球の大気で雲を作ることはスベンスマルク効果としてすでに知られていましたが、大規模な地球環境に影響をどの程度与えるかはわかっていませんでした。今回の研究では地球が寒冷化した時代と宇宙線の量が多かった時代が一致することに着目し、この両者を結びつける証拠を探す取り組みが成されました。  

地球には強い磁場があります。それによって宇宙線は補足されて、地上に到達する量は著しく少なくなります。ですが、過去の地球においては磁場が弱まり大量の宇宙線にさらされた時代がありました。地層の成分や化石から確認できる過去の気候と照らし合わせると、磁場が弱まって宇宙線に地球がさらされた時代には、寒冷化が起こっていたという証拠がたくさん見つかっています。ですが、当時の雲の量がどうだったかを知る方法が無かったので、宇宙線と磁場と雲と気候の四者を結びつける証拠はありませんでした。  

立命館大学の研究者らは、78万年前と107万年前に地球の磁場が逆転した際、一時的な磁場の減弱によって現在の2倍にも達する宇宙線が降り注いでいたことに着目しました。  

大阪湾の地下1700mまでの地層に含まれている花粉の化石から各時代の夏の気温、冬の気温、雨量を推定したところ、
・地球磁場が逆転する時には数千年間も寒冷化の時代が続いた
・夏も冬もその前後の時代より数度気温が下がった
・雨の量も著しく少なくなった ことがわかりました。  

このことから、雲によって太陽光が遮られ、地球上に届く日射量が減り、海よりも温まりやすく冷めやすい陸でより速やかに寒冷化が起こったことが予測されました。  このことは磁力が弱まると、宇宙線が地球の雲の量を増加させ、地球は気温の低い時代を迎えること、数千年が経過して磁場が復活すると気温が元に戻ることを示しています。


この記事はインターネット科学ラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」のあらすじです。 ヴォイニッチの科学書は毎週ホットな話題をわかりやすいフレーズで配信しています。 無料版(短縮版)は iTunesStore インターネットラジオ局くりらじから配信登録できます。iTunes の検索窓に「ヴォイニッチ」と入力してください。 有料版は株式会社オトバンクが発行するオーディオブック番組です。定期購読はこちらからお申し込みいただけます。有料版にはより長時間の音声配信並びに、詳しい配付資料を提供しています。
関連記事
スポンサーサイト
2017-02-04 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

おびおのプロフィール

おびおがしかし

Author:おびおがしかし
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。でも、楽しいことしかしません。楽しいことしかできない病、TD! それがおびおなのです。
苦手な食べ物:シーチキン、レバー、昆虫系
Web:ヴォイニッチの科学書
お気づきの点はメール
twitter:科学の自動会話プログラム ぼっとびお。

スヴァールバルの画像保管庫

スポンサードリンク

スポンサードリンク

ワトソンの検索窓

ロザリンド・フランクリンのダイアリー

03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

QRコード

QR