ヴォイニッチの科学書 Chapter-640 どこでもドアの誕生・・・の基礎技術

3Dプリンターは生命化学の領域でも活用が広がっています。  

たとえば、日本の独立行政法人国立病院機構は小児科医が開発した3D印刷可能な人工呼吸器を国際宇宙ステーションへ電子メールで転送する世界初の実験が成功したと発表しました。  

受け取り側に3Dプリンターとインターネット環境があれば宇宙中どこへでも人工呼吸器を転送できるようになったということです。スペースX社などのプロジェクトにより人類が火星においても生活するようになったとしても、現在は地球上のあらゆる先端機器を火星に持ち込むことは困難ですが、このような技術があれば必要な先端機器を火星で印刷で作ることが出来ます。なお、この人工呼吸器はすでに無重力環境下での動作実験にも成功し、実際に使用可能であることが確認されています。

インターネットで転送された人工呼吸器の部品が印刷される様子
ヴォイニッチの科学書 Chapter-640 どこでもドアの誕生・・・の基礎技術

さらに、スペインのマドリード・カルロス3世大学は人間の皮膚を印刷で作製できる3Dプリンターの試作機の開発に成功しています。重症のやけどで皮膚移植が必要な患者の治療や、化粧品の安全性試験などに用いる人工的な皮膚の作製を想定して試験が行われている段階です。この3Dプリンターは人間の細胞由来の成分で出来たインクを使って、人間の皮膚の構造や機能を再現した組織を印刷します。その再現度は本物の肉体にそっくりで、表皮やその内側の真皮、線維芽細胞まで再現可能です。  

また、3Dプリンターで細胞を印刷して移植用の臓器を作ることは当初より3Dプリンターの重要な用途の一つとして研究が続けられていました。

ヴォイニッチの科学書 Chapter-640 どこでもドアの誕生・・・の基礎技術

今後、今回紹介したような技術が組み合わされて臓器や皮膚やセメントつまり石灰質の骨などが印刷できるようになれば、肉体だけであれば私達はそう遠くないうちにあたかもどこでもドアを使うように火星にさえ行けるかもしれません。3Dプリンターで印刷した脳が何を考えるのかはわかりませんが、すでに脳を装置で計測してその人が考えていることや見ている物が徐々にわかるようになってきています。そうすると脳の情報をダウンロード、アップロードすることも絶対に不可能とは言い切れず、インターネットで肉体の情報を送って身体を印刷し、そこにデータ化した脳の情報、あるいはアイデンティティと記憶のような物をダウンロードすることによって人類はどこでもドアを手にした、といえる時代が本当にくるのではないでしょうか。




この記事はインターネット科学ラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」のあらすじです。 ヴォイニッチの科学書は毎週ホットな話題をわかりやすいフレーズで配信しています。 無料版(短縮版)は iTunesStore インターネットラジオ局くりらじから配信登録できます。iTunes の検索窓に「ヴォイニッチ」と入力してください。 有料版は株式会社オトバンクが発行するオーディオブック番組です。定期購読はこちらからお申し込みいただけます。有料版にはより長時間の音声配信並びに、詳しい配付資料を提供しています。


関連記事
スポンサーサイト
2017-02-11 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

おびおのプロフィール

おびおがしかし

Author:おびおがしかし
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。でも、楽しいことしかしません。楽しいことしかできない病、TD! それがおびおなのです。
苦手な食べ物:シーチキン、レバー、昆虫系
Web:ヴォイニッチの科学書
お気づきの点はメール
twitter:科学の自動会話プログラム ぼっとびお。

スヴァールバルの画像保管庫

スポンサードリンク

スポンサードリンク

ワトソンの検索窓

ロザリンド・フランクリンのダイアリー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

QRコード

QR