マリアナに新たな熱水噴出孔を発見

深海熱水噴出口とは海底火山によって作り出された数百度の海水を吹き出す地形のことです。海底の地下水が海底火山のマグマで熱せられて、地底のミネラルや火山性の硫黄などを豊富に含んで吹き出しています。  

深海熱水噴出口が見られるのは深さ4000メートル以上の深海です。本来このような深いところには太陽の光も届かず、栄養分も少ないと思われていたため、かつては深海底は死の世界だと思われていました。ところが深海熱水噴出口の周辺は地底から吹き出すミネラルなどの栄養が豊富で熱源もあって暖かいため、地上では決して見られない、地上の生態系とは完全に独立した珍しい生態系が存在しています。

マリアナに新たな熱水噴出孔を発見


硫黄を使って生きる微生物を食物連鎖のスタート地点にして生態系が熱水噴出口の周辺だけで完結し、カニやエビ、貝類のような生き物がウジャウジャと集まった世界を作り出しています。  

深海熱水噴出口はすでにいくつか発見されて、かなり調査も進んでいるのですが、広い海に比べるとその数は限られますので、今でも新しい深海熱水噴出口が見つかることはめったにありません。ところが最近、日本とパプアニューギニアの間のマリアナトラフとよばれる、海溝ほど深くはない緩やかな斜面が続く溝のような地形で新たな深海熱水噴出口が3つも同時に発見されました。  

この熱水噴出口を発見したのは米カリフォルニア州のシュミット海洋研究所が開発した新型の遠隔操作無人探査機(ROV)「スバスチアン」(下写真)です。

マリアナに新たな熱水噴出孔を発見

スバスチアンは 次写真)とケーブル接続されていて、数週間海底に潜ったまま観測を続け、リアルタイムでカメラの映像を母船に届けると共に、海底のサンプルの採取をして持ち帰ることが出来ます。  

最近、土星の衛星エンケラドゥス、タイタンなどには表面を覆う氷の下に液体の海があり、生物がいる可能性が示されていますが、もしこれらの衛星に生物がいるとするならば地球の深海熱水噴出口のような生態系ではないか、とも想像されています。

洋上の調査母船「ファルコー」


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2017-02-24 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :
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