相手の植物に結合して乗っ取る寄生植物

人間の体の中に時々入り込むのが寄生虫ですが、植物に寄生する植物がいてそれを寄生植物と呼んでいます。寄生植物は穀物に寄生すると収穫量を大幅に減らすので農業上の有害植物です。 寄生植物は根を宿主植物の中に伸します。その後、自分の根を宿主植物組織の中心部分にある水や養分の通り道の維管束に連結することで、宿主植物との連絡を確立します。

寄生植物はこのシステムを介して、移動水や養分を宿主植物から奪い大きく成長しますが、一方でさまざまなRNAやタンパク質などを宿主植物へ注入していることもわかっています。この時、寄生植物が宿主植物に対して一体何をしているのかについて理化学研究所が新たな発見をしました。  

植物の実験に広く用いられているシロイヌナズナにコシオガマを寄生させたところ、自分の根を宿主植物に直結させ、植物ホルモンのサイトカイニンを寄生植物が宿主植物に注入し通常状態の8倍もの濃度に高め、宿主植物のホルモン受容体を過剰に刺激して栄養の運搬経路である維管束を太らせることで、効率的な栄養奪取を可能にしていることがわかりました。つまり、寄生植物は宿主のホルモン制御を乗っ取って、自分に都合の良いように植物の生育を操っているということになります。  

下の写真は実験の様子ですが、右側の顕微鏡写真で2種類の植物が完全に結合していることがわかります。左側の写真を見ると、シロイヌナズナに寄生したコシオガマはシロイヌナズナから栄養を奪い取ることによって、2倍にも成長していることがわかります。

寄生虫より怖い寄生植物


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2017-05-21 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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