それぞれに異なる動きで効率的な出会い

動物が広い場所でエサを探す必要があるとき、しばしば共通の行動パターンをとります。それは少し前進しては向きを変えさらに少し前進することを何度も繰り返しながら、たまに長い直線移動をおこなうような移動パターンです。ミツバチやアホウドリといった多くの動物がエサを探す際の動きとしてこの探索パターンを示すことが報告されています。

エサを探す場合は食うか食われるかの行動パターンです。オスとメスのようにお互いが出会うことを望んでいるときにこのような行動パターンが有効かどうかを京都大学の研究者らがシミュレーションで調べました。

人間は三次元の存在ですが、広い公園を二次元平面と仮定してシミュレーションしたところ、一般的な条件下ではエサを探す場合とはちょっと違っていて、男女のうちいずれかが広い範囲を動き回り、もう一方が狭い範囲を動き回るとき男女両方にとって出会いのチャンスが最大になることがわかりました。つまり、男女は異なる移動のパターンをとることが必要だということです。

ただし、出会うまでに許される時間が著しく長い場合は男女両方が広い範囲で動き回ることが出会いのチャンスを高めることにつながりましたが、現実世界ではある程度の時間が経過すれば帰宅する、あるいは就寝するなどによって行動が中断されますので、この方法論は事実上適用できません。  

男女が違うパターンの動きをすることが出会いの可能性を高める、という結論は今まで研究が盛んに行われていた生存競争の理論ではなく、お互いの利益となる1対1の出会いを効率化する新たな理論であり、この理論が自然界でどのように機能しているかは今後実証する必要があります。

それぞれに異なる動きで効率的な出会い

上の図は横軸が男の動きのパターンを数値化したもの、縦軸は女の動きを数値化したものです。  左側のグラフはある程度限られた現実的な時間内で男女が出会うまでをシミュレーションしたもので、右下の女の数値が小さく男の数値が大きい、つまり男女の行動パターンが大きく異なるときに出会いが最大効率で訪れることを意味しています。  

右側のグラフは時間が無尽蔵に長いような状態で、この場合は男女が共に広い範囲を活発に動き回る場合に出会いが最大効率になることがわかります。現実世界で言えば左側は街歩きをしているような場合、右側はツアー旅行や合宿など長時間行動を共にする場合に適用できます。


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2017-05-28 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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