出来事の順序を記憶する仕組みの発見

理化学研究所と同志社大学の共同研究チームは、日常の出来事を記憶するとき、その出来事の内容と順序の情報が脳回路の中でどのように表現されているかを、ラットの脳の海馬での神経細胞の活動を観測することで明らかにしました。

私たちは日常の出来事を記憶するとき、それぞれの出来事の内容に加えて、その出来事の起きた順序も無意識のうちに覚えています。自らが経験した出来事に関する記憶は「エピソード記憶」と呼ばれ、脳の海馬 が関わっていることが知られていますが、どのような仕組みで経験した出来事の内容や順序を記憶しているかは、解明されていませんでした。

今回、同志社大学と理化学研究所の共同研究チームは神経細胞の活動を記録する電極を装着したラットにまず音を聞かせ、次に匂いをかがせる実験を行いました。 その結果、海馬の神経細胞の中に音や匂いなどそれぞれの情報に対して選択的に活動する細胞を発見し、これを「イベント細胞」と名付けました。  

また、海馬では、8Hzぐらいの周波数の強い脳波である「シータ波」 を出すことが知られています。シータ波は神経細胞の集団が同期して活動をすることによって発生します。イベント細胞の活動とシータ波がどのように同期しているかを調べたところ、シータ波の山から谷に向かうタイミングでは過去の情報、谷では現在の情報、谷から山に向かうタイミングでは将来の情報が表現されていることが分かりました。

出来事の順序を記憶する仕組みの発見

これは、海馬のイベント細胞はシータ波の位相によって、過去・現在・将来の出来事の順序を圧縮して表現しているといえます。海馬の個々の神経細胞は、その活動の強さによって出来事の内容を表現し、その活動のタイミングによって出来事の順序を表現していることが明らかになりました。


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2017-07-17 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :
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