よくかんで食べないと神経細胞が減る

よくかんで食べると老化の防止につながると以前から言われていましたが、そのメカニズムが科学的に確認されました。 たとえば、朝食にご飯とサラダとカリカリベーコンを食べる人と、流動食をチューッと吸い込んで済ませる人、晩ご飯に厚切りステーキを食べる人とソバで済ませる人とでは1日あたりに食べ物をかむ回数、つまり咀嚼回数は大きく異なります。

よくかんで食べないと神経細胞が減る

代人は全体的に咀嚼回数が劇的に減っていますが、成長期に咀嚼回数が低下すると、顎の骨や噛むための筋肉だけでなく脳の発達にも悪影響を及ぼすことが知られています。また、加齢に伴い歯を失うことによって咀嚼機能が低下すると、認知症のリスクが高まることも分かってきました。

実験用に飼育されているマウスのエサはカチカチに固められた粒状であることが普通ですが、離乳期から成長期にかけてあまりかむ必要の無い粉末飼料を与えて育てる実験を東京医科歯科大学の研究者らが行いました。その結果、粉末飼料を与えたマウスでは、通常の固形飼料を与えたマウスと比べ、顎顔面の骨や噛むための筋肉の成長が抑制され、記憶・学習機能も顕著に障害されることがわかりました。そこで、記憶・学習を司る脳領域である海馬を解析したところ、あまりかまずに育ったマウスでは神経細胞の数が少ないこと、神経活動レベルが低下していることが明らかになりました。  

下の写真は実験で使ったラットの海馬で上段(a)は神経の活動、下段(b)は神経細胞数です。いずれも粉末食のラットは少ないことがわかります。 
よくかんで食べないと神経細胞が減る

この結果は認知症の予防において咀嚼機能の維持または強化が有効であることを示唆しています。今後はどのような分子が関わっているのか、どのような遺伝子制御が関わっているのかをヒトを対象とした研究で取り組む必要があります。


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2017-07-16 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :
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