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ヴォイニッチの科学書 第673回 iPS細胞 最近の話題

これまで輸血に頼っていた血小板 をiPS細胞から大量生産する技術を日本の大学発ベンチャーや製薬メーカーなど16社による研究チームが確立しました。外科手術時や交通事故の被害者など止血が必要な患者に使うことを想定し、2018年に臨床試験を開始する予定です。

下の電子顕微鏡写真は左から赤血球、血小板、白血球
ヴォイニッチの科学書 第673回 iPS細胞 最近の話題


血小板は現在は全て献血でまかなっていますが、人口減などにより将来的に不足することが予測されています。さらに、iPS細胞から量産した方が献血で得た血液から取り出すよりもコストが低く、感染症の危険もありません。保存期間も献血血小板が4日しか保存できないのに対して、iPS細胞から作った血小板は無菌なので2週間くらいは保存できるようです。  

もとよりiPS細胞の用途として最も有用と考えられていた、患者数は少ないものの、重篤な難病治療薬の発見も成果が出始めています。

京都大学iPS細胞研究所が筋肉の中に骨ができる難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」の治療薬候補を7000種類の物質の中からiPS細胞を使って選び出し、臨床試験に入ることを決定しました。

この病気は200万人に一人の割合で発症し、日本国内には80人しか患者がおらず、治療薬は存在していません。患者数の少ない病気は研究方法の開発が難しく、コストもかかるためこれまで大手製薬メーカーでは積極的に取り組まれていませんでした。iPS細胞を使えば試験管内で病気を再現できるため、研究効率が著しく向上することが期待されていましたが、期待通りの成果が出始めました。  

iPS細胞を使う再生医療においては、iPS細胞から作り出した臓器細胞を患者に移植しますので、輸血同様に拒絶反応が起きる可能性があります。そのため、多くの人にiPS細胞を使った再生医療を提供するため、輸血における血液型と同じように多くの細胞のバリエーションを揃えることが必要です。京都大学を中心に細胞のストックが進められていますが、このたび日本人の30パーセントカバーにめどが立ったと言うことです。  

心筋梗塞の治療に使うような筋肉細胞はすでに実用化されていますが、沈黙の臓器、体内の化学工場と呼ばれる非常に複雑な肝臓をiPS細胞で再現することに東京大学の研究者らが成功しました。ヒトのiPS細胞から3種類の肝臓細胞を作り、さらに血管の細胞などを加える工夫をして人体の肝臓と同様の代謝機能を持つ肝臓を培養皿の上で作り出したということです。


この記事はインターネット科学ラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」のあらすじです。 ヴォイニッチの科学書は毎週ホットな話題をわかりやすいフレーズで配信しています。 無料版(短縮版)は iTunesStore インターネットラジオ局くりらじから配信登録できます。iTunes の検索窓に「ヴォイニッチ」と入力してください。 有料版は株式会社オトバンクが発行するオーディオブック番組です。定期購読はこちらからお申し込みいただけます。有料版にはより長時間の音声配信並びに、詳しい配付資料を提供しています。


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2017-10-21 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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