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ヴォイニッチの科学書 第676回 海底下2キロメートルの細菌

10月21日配信のヴォイニッチの科学書(有料版)第676回は最近回となってます。
地底には細菌アンダーグランドとも呼べる未知の世界が広がっていることがわかっています。

海底下2キロメートルの細菌
拙著「マンガでわかる菌のふしぎ」(SBクリエイティブ サイエンス・アイ新書)100ページ

今年で就航10周年を迎えた 地球深部探査船「ちきゅう」などを用いた国際的な科学掘削調査により、海底下に生息する微生物の多くが特異な進化を遂げた未知の微生物であることが明らかになりました。

2012年「ちきゅう」による青森県八戸市の沖合80 kmの地点の掘削で、当時の世界最高到達深度、海底下2,466 mまでの土砂の採取に成功し、このような地中深くでも微生物が集団で生きていることが確認されました。地球内部の地下環境は、空陸、海洋とは特性が大きく異なる「第三の生命圏」だと言われており、ここに住む微生物は天然ガスの生成等、地球規模の物質循環に重要な役割を果たしています。

このような深い場所で生きる微生物の生態を調べるために、八戸沖から採取された土砂に、天然ガス成分のメタン(メタノール)などを添加し、現場環境に近い温度、37°Cや45°Cで暗所に30ヶ月静置しました。

あらかじめ、特殊な重い炭素原子と水素原子(安定同位体)を入れておいたところ、それら安定同位体が微生物の作り出すメタノールや二酸化炭素に組み込まれていることがわかりました。このことは地下深くの微生物も外部から栄養を取り込み、排泄をする新陳代謝をしていることを示しています。さらに詳細に分析したところ、これらの微生物は数十年から数百年に1度程度の割合で細胞分裂していることがわかりました。大腸菌は数時間で分裂しますのでそれに比べると非常にゆっくりと生きていることになります。

これらの微生物からDNAを抽出し調べた結果、これらの多くは約2000万年前には陸上や陸地に近い浅い海の海底で暮らしている地下微生物だったことがわかりました。それらが長い年月で地底のマグマによる高温環境を好んだり、過酷な環境を生き抜くために胞子を作ったりする性質を獲得したか、あるいは選別されて生き残ったようです。

海底下2キロメートルの細菌




この記事はインターネット科学ラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」のあらすじです。 ヴォイニッチの科学書は毎週ホットな話題をわかりやすいフレーズで配信しています。 無料版(短縮版)は iTunesStore インターネットラジオ局くりらじから配信登録できます。iTunes の検索窓に「ヴォイニッチ」と入力してください。 有料版は株式会社オトバンクが発行するオーディオブック番組です。定期購読はこちらからお申し込みいただけます。有料版にはより長時間の音声配信並びに、詳しい配付資料を提供しています。


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2017-10-25 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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