ヴォイニッチの科学書 第682回 JWSTの進捗

NASA、ヨーロッパ宇宙機関、カナダ宇宙庁による国際プロジェクトでハッブル宇宙望遠鏡(HST)の後継機であるジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の開発が進んでいます。

ヴォイニッチの科学書 第682回 JWSTの進捗

当初、2011年打上げ予定で開発が進められていましたが、開発の遅れが相次ぎ、開発コストも4倍以上となり、NASAの他のチームからは開発中止を要望する声が上がるほどでした。2016年11月に大型の折りたたみ式反射鏡が完成し、現在は2019年3~6月打上げ予定で開発が進んでいます。

JWSTの反射鏡は口径約6.5mでハッブル宇宙望遠鏡(2.4m)の2.5倍、光を受け取る面積ではハッブルの7倍にもなり、ハッブルよりも弱い光を観測することができます。 反射鏡は18枚の六角形の鏡に分割されており、打ち上げ後に宇宙空間で展開されます。上の写真は展開状態です。

JWSTが観測するのは赤外線です。宇宙誕生初期の銀河や星、太陽系外惑星を観測するのに適した設計になっています。赤外線による観測は装置の温度が高まるとノイズが大きくなってしまうので、反射鏡を低温に維持するための装備を持ち、さらに地球が放出する熱の影響を受けず、地球の日陰で太陽光が遮られるラグランジュ点(L2)に配置されます。

今回新たにJWST打上げ直後の初期観測プログラムの観測ターゲットが発表されました。それらは生まれたての星の周囲で形成される有機分子探し、銀河の中心に潜む超大質量ブラックホールの質量の計測、初期宇宙に存在するこの宇宙で最も初期の形を残す遙か彼方の銀河を捜すことなどです。

ヴォイニッチの科学書 第682回 JWSTの進捗

地上の大型反射望遠鏡は鏡の精度を維持するために、鏡の裏面に鏡の位置や曲がりを物理的に(鏡を変形させて)補正するための装置が付いていますが、JWSTはそのような装置はなく、軌道上に打ち上げて鏡を展開した時点で精度が出るのだそうです。だいじょうぶなんですかね・・・


関連記事
スポンサーサイト
2017-12-17 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

おびおのプロフィール

おびおがしかし

Author:おびおがしかし
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。でも、楽しいことしかしません。楽しいことしかできない病、TD! それがおびおなのです。
苦手な食べ物:シーチキン、レバー、昆虫系
Web:ヴォイニッチの科学書
お気づきの点はメール
twitter:科学の自動会話プログラム ぼっとびお。

スヴァールバルの画像保管庫

スポンサードリンク

スポンサードリンク

ワトソンの検索窓

ロザリンド・フランクリンのダイアリー

04 | 2018/05 | 06
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

QRコード

QR