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ヴォイニッチの科学書 第686回 ダイソン球をまとう恒星?

ダイソン球(ダイソンきゅう、英: Dyson sphere)とは、恒星を卵の殻のように覆ってしまう仮説上の人工構造物。恒星の発生するエネルギーすべての利用を可能とする宇宙コロニーの究極の姿と言える。名前は高度に発展した宇宙空間の文明により実現していた可能性のあるものとしてアメリカの宇宙物理学者、フリーマン・ダイソンが提唱したことに由来する。(Wikipediaより)

ヴォイニッチの科学書 第686回 ダイソン球をまとう恒星?

ルイジアナ州立大学の天文学者タベサ・ボヤジアンがケプラー宇宙望遠鏡のデータの中から見つけ出した恒星ケプラーインプットカタログ8462852の話題が盛上がっています。というのも通称ボヤジアン星と呼ばれるこの星にはダイソン球を建造できるほどの文明があるのでは、と思われているからです。

2009年に打ち上げられたNASAのケプラー宇宙望遠鏡は4年間にわたって天の川銀河の狭い範囲を集中的に観測し、惑星のトランジヅトという現象を大量に発見しました。トランジット現象は地球から見た恒星のちょうど手前をたまたま惑星が横切り、星の光をさえぎることによって、星が暗くなったように見える現象です。恒星の明るさの変化をグラフにした光度曲線を見ると、惑星のトランジットがない場合はほぼ平坦な線になります。星の手前を惑星が横切ると光度曲線に惑星の公転周期に応じた規則正しいU字形の窪みができます。

ヴォイニッチの科学書 第686回 ダイソン球をまとう恒星?

上の図は典型的な惑星のパターンです。横軸が観測時間、縦軸がある恒星の見た目の明るさです。惑星の公転に応じて規則正しく暗くなります。 ボヤジアン星の光度曲線にはトランジットによるものに似た光度低下が不規則に生じ、減光が数時間で終わるものがある一方で、数日間あるいは数週間にわたって続く例もありました。減光の程度も、 その他のトランジット現象を示す恒星と同等の1%前後から20%も落ち込むケースもあり、規則性も無いため、惑星の横切りとは考えられないデータでした。

ヴォイニッチの科学書 第686回 ダイソン球をまとう恒星?

上の図はボヤジアン星のパターン(一部)。この不規則さは現在の地球文明では説明が非常に難しいものです。 ボヤジアン星の観測データはこの星が、太陽のようなごく一般的な恒星であることを示していて、星自体に特別な点は見られません。このような場合、恒星の周辺のチリがムラになって存在していることや観測装置の不具合が考えられますが、ボヤジアン星周辺からは赤外線が観測されないため、チリはなく太陽系のように周辺は晴れ渡っていることがわかっていますし、ケプラーの故障についても十分な検討が成されていてデータは正確であることがわかっています。

科学的に考えられる説は主に2つで一つはコロンビア大学とカリフォルニア大学バークレー校の共同研究チームによる、大型の惑星あるいは褐色嬢星がボヤジアン星に衝突したという説です。衝突によってボヤジアン星は一時的に明るさを増すはずで、現在観測されている長期的な減光は星が以前の明るさに戻りつつある過程であるというものです。このような過程で不規則な光度の低下が起きることはありうることです。

2つめの説はペンシルベニア州立大学の研究者による宇宙空間を漂流しているブラックホールが地球とボヤジアン星の間に存在するという説です。そのようなブラックホールが太陽系よりも大きな、土星の環に似た円盤に包まれており、その円盤の外側部分は希薄で内側領域は密度が高く、過去100年間に、ほぼ透明な外側領域に続いて高密度の内側領域が地球からボヤジアン星を見る視線を遮ったとすると、ケプラーが観測した長期的な減光が説明できます。不規則な減光についても移動する円盤内部のリングや隙間その他の構造が投げかけた影と考えることができます。

そして最後の説がダイソン球の存在です。つまり宇宙人による巨大建造物の可能性です。 ある宇宙人文明が多数のエネルギー収集パネルを建造し、それらのパネルの大きさは統一されておらず、それらのパネルが恒星を周回するように配置したとする考え方です。現実的に建造が可能なほど小さなパネルでも大量であれば星の光の一部を遮る効果が生じるはずです。このエネルー収集パネルが高度な科学によって非常に高い効率で電波やレーザーに変換でき、無駄な廃熱が無ければ赤外線が観測されないことも説明がつきます。

今後、ボヤジアン星の近辺から明らかに人工的な信号電波が発信されているのが検出されれば、 この説は有力になります。すでにボヤジアンのいるルイジアナ州立大学とウエストバペンシルベニア州立大学の共同研究チームは米国バージニア州グリーンバンク望遠鏡で信号探しを始めています。

こんな巨大構造物で中心星のエネルギーを熱として放出すること無く100%の変換率で使用しているのかも。
ヴォイニッチの科学書 第686回 ダイソン球をまとう恒星?
https://thewire.in/179155/kic-8462852-wtf-alien-megastructure-star-tabetha-boyajian/



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2018-01-17 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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