宇宙エレベーター用材料の耐久性試験

大林組は宇宙への移動手段として宇宙エレベーターの建設を検討しています。

地球と宇宙ステーションの間にケーブルを渡し、エレベーターのゴンドラのような昇降機で地上と宇宙空間を行き来する乗り物が宇宙エレベーターです。燃料消費もロケットよりはるかに少なく、搭乗者への負担も小さい未来の宇宙往還手段として実現が期待されています。

下のCGは大林組が考えている宇宙エレベーターで、南極よりも遠い地上3万6000kmに設置した宇宙ステーション(滞在、観光施設)まで時速200kmで1週間かけて移動します。さらに遠い未来には宇宙ステーションを宇宙ハブ空港として火星行き、アンドロメダ銀河行きなどの宇宙船が発着するかもしれません。

宇宙エレベーター用材料の耐久性試験

ケーブル材料として期待されているカーボンナノチューブは鉄筋の4分の1の軽さで、鉄鋼の約20倍の引張強度がありますので今後の人類の宇宙進出においてインフラから宇宙船まで幅広い活用が期待されています。

そこで、大林組は国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」で2015年4月からカーボンナノチューブの宇宙空間での耐久性の検証を続けています。 国際宇宙ステーションは秒速9キロメートルもの高速で飛行しています。この環境で直径約20ナノメートルの多層カーボンナノチューブ繊維をより合わせたものを最長2年間放置し、回収ののちに地上で電子顕微鏡観察したところ、ISS進行方向の前面で曝露したものは大きく損傷していることがわかりました。

ISSが周回する地上400km付近は、酸素などの大気成分が原子に分解されて存在しているといわれています。そのような原子がカーボンナノチューブに衝突して傷つけます。この結果は、地上で実施した曝露条件試験と高い相関性を示しており、地上での試験が宇宙環境での損傷状態を類推するのに有効であることも確認できました。  

今後は原子構造レベルでの損傷メカニズムを究明していくとともに、カーボンナノチューブの損傷を抑制するための耐久性向上対策技術の開発に取り組まれます。


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2018-04-22 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :
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