FC2ブログ

老いるほど高リスクの仕事を引き受ける

シロアリやアリ・ハチなど社会的生活を営む昆虫は巣の中で、生殖、育児、巣作り、掃除、採餌、防衛などの役割を分担しています。中には年齢によって仕事が変化する場合もあります。

例えば、ミツバチは、羽化して間もない頃には育児を行い、年を取るとエサを取りに外に出るようになります。このように生まれてからの経過時間によって役割が変わる理由としては2通りが考えられます。

一つは成長するにしたがって仕事をこなす能力が変化するから、もう一つは余命の短い年老いた個体がリスクを負った方が、機会損失が小さいから、です。

どちらの考え方が正しいかを調べるために、京都大学の研究者らは兵隊シロアリを使った実験を行いました。兵隊シロアリには巣の入り口付近の最前線で戦うシロアリと巣の中心付近で女王アリを守るシロアリの二種類がいます。当然、死亡リスクは最前線の兵隊が高くなります。


実験的な巣でシロアリを飼育した結果、予想通り、年老いた兵隊シロアリが死亡リスクが高い最前線で防衛を行うことが明らかとなりました。若いシロアリも年老いたシロアリと同じレベルの戦う能力を持っていることは別の実験で確認されていますので、戦う能力は同じであっても、より危険な現場に年老いたシロアリが配置されていた、ということです。

さらに、人工的な巣の中で若いシロアリと年老いたシロアリを混ぜたところ、30日後には若いシロアリは巣穴中央の女王の近くに集中して分布し、年老いた兵隊シロアリは外部に多く分布していることが明らかになりました。シロアリは仕事をこなす能力の違いではなく、余命の短い個体が高いリスクを取るという機会損失の最小化の原理によって兵隊内での分業が行われていることが示されたのです。

関連記事
スポンサーサイト
2018-04-26 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

おびおのプロフィール

おびお

Author:おびお
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。
ツイッターアカウント:@cradiobio
ものことごはん:http://obio2.blog.fc2.com/

スヴァールバルの画像保管庫

スポンサードリンク

スポンサードリンク

ワトソンの検索窓

ロザリンド・フランクリンのダイアリー

07 | 2018/08 | 09
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

QRコード

QR