FC2ブログ

サルでも効能を確かめる

長野県の地獄谷野猿公苑(じごくだにやえんこうえん)はニホンザルが温泉に入る唯一の場所として有名です。サルは人間に似た行動をとりますが、まるで人間のように温泉に静かに入って温まるこの行動は、この地域に住むサルたちにのみ見られる珍しい行動です。

サルでも効能を確かめる

京都大学霊長類研究所の研究チームは、ニホンザルにとっての温泉の効果を科学的に調べました。その結果、この地域のニホンザルは、冬期に頻繁に温泉に入浴することによってストレス解消をしていることがわかりました。  

ニホンザルは長くて濃い毛で日本の寒い冬にも適応したサルです。ニホンザルの温泉入浴は、1963 年のある雪の日に旅館「後楽館」(次写真)の露天風呂にサルが入っているところが初めて観察され、海外でもスノーモンキーとして人気です。初めて発見されたときは雌の子ザルが一匹、入っていただけでしたが、この行動は他のサルにも広がっていき、2000年代には雌のサルのうち3分の1くらいが定期的に温泉を楽しみ、ニホンザル専用の露天風呂も設置されています。

サルでも効能を確かめる

研究チームは12頭の大人の雌ニホンザルについて、それぞれのサルが温泉に浸かっている時間を調べ、どのサルがより長く温泉に浸かるかを確認しました。同時に糞を採取し、糞に含まれるグルココルチコイドと呼ばれるストレスホルモンの指標物質の濃度を調べました。

その結果、雌のニホンザルは、特に寒さの厳しい時期に、頻繁に温泉に入っており、入浴行動とグルココルチコイド濃度との関連性を比較したところ、入浴によってストレスホルモンの濃度が下がることが観察されました。

ちなみに、サルの社会性と入浴との関係も調べたところ、より地位の高い雌は、より長時間温泉に入ることができることがわかりました。地位の高いサルほど頻繁に攻撃的な争いに巻き込まれ、ストレスがよりいっそうたまるために、それをいやす必要があるようです。


関連記事
スポンサーサイト
2018-05-14 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

おびおのプロフィール

おびお

Author:おびお
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。
ツイッターアカウント:@cradiobio
ものことごはん:http://obio2.blog.fc2.com/

スヴァールバルの画像保管庫

スポンサードリンク

スポンサードリンク

ワトソンの検索窓

ロザリンド・フランクリンのダイアリー

07 | 2018/08 | 09
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

QRコード

QR