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ヴォイニッチの科学書 第724回 植物の双葉を2枚にする酵素を発見

理化学研究所と自然科学研究機構生命創成探究センター、東京大学の共同研究チームは、脂肪酸の代謝に関わる酵素シトクロムP450の一種「CYP77A4」が、植物のタネの中で双葉を二枚左右対称にする働きをしていることを発見しました。

シトクロムP450に異常が生じると植物の葉や花の形・大きさが異常になる事例が確認されていたことから、植物における役目の解明が進められてきました。

研究チームは、シトクロムP450の遺伝子に変異を持つシロイヌナズナ変異株を35系統準備し、根の長さや葉の大きさなど12の形・大きさに関わる指標について測定しました。その結果、「CYP77A4」という酵素の変異株系統では、双葉の大きさが通常より小さくなることを発見しました。そこで、双葉に着目して詳しく観察したところ、この酵素の遺伝子が変異したタネでは大きさだけでなく、双葉の数や形が異常になったり、左右に分かれて出てこなくなったりすることが分かりました。

これまでの研究から、タネの中にある芽生えのもととなる「胚」では、双葉のできる位置に植物ホルモンの一種であるオーキシンが集まり、双葉の発達を助けていることが知られていました。そこで、遺伝子が変異したタネの胚におけるオーキシンの分布を調べました。その結果、野生株では発達中の双葉の左右2カ所にオーキシンが溜まっているのに対し、変異株の胚では、このような明瞭な分布が観察されませんでした。つまり、CYP77A4酵素が正常に働かなった変異株ではオーキシンをうまく分配できないことにより、双葉の数・形・大きさ・配置が異常になることが示されました。  

下の写真は上段が通常の左右に開いた双葉、下段左は双葉が上側に偏っていて、下段右は双葉が一枚しかありません。

植物の双葉を2枚にする酵素を発見


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2018-09-30 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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