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原子ラジオ

ラジオの起源は19世紀の終わりごろ、無線通信の発明者でノーベル賞を受賞者であるイタリアのグリエルモ・マルコーニの無線電信機の発明とされています。ラジオの発明から120年を過ぎた今でもその仕組みはほとんど変わっていません。アンテナには受信しようとする電波の波長に合わせた金属の棒が使われています。金属棒を通過する電波が内部の電子を加速し、電波のエネルギーが電流に変換するので、その電流を増幅しています。

原子ラジオ
100年前のラジオ  

ミシガン州にあるリュードベリ・テクノロジーズはレーザーを使ったラジオのアンテナを発明して注目されています。この仕組みを簡単に言えば、電波が原子と相互作用する様子をレーザーで測定し、レーザー光の変化を音の変化に変換します。 使用する原子はセシウムで、原子の周りに雲のように存在する電子のもっとも外側の外殻電子がエネルギーを蓄え、リュードベリ状態と呼ばれる原子核からの距離が遠くなり、原子が大きく膨らんだ状態で使用します。  

密封されたリュードベリ状態のセシウムガスに特定の波長のレーザー光を照射するとセシウムガスのレーザー光に対する透過率が変化します。ここに電波を照射するとセシウム原子の外郭電子の性質が変化し、透過率を変化させるに必要なレーザー光線の波長が変わります。逆に言えば、セシウムに照射されている電波の変化に伴って、セシウムガスの透明度が変化します。この透明度の変化を、別のレーザーを気体に当てることによって測定します。  

実際に測定してみると、無線信号が周波数変調(FM)または振幅変調(AM)していることがわかり、ラジオとして機能することも確認されています。この方式のラジオ受信機の画期的な点は、アンテナ部分が原子の変化を光で観測する方法であるために電気回路が存在しないことです。現状ではダイナミックレンジの関係から音質がやや劣るようですが、その点も今後改善されそうです。


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2018-10-06 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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