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マルチバース仮説

マルチバース仮説
https://www.scientificamerican.com/article/looking-for-life-in-the-multiverse/

この宇宙は138億年前に起きた宇宙の急膨張「インフレーション」で始まったとされています。そして、インフレーション理論が正しいのであれば必然的に導き出されるのがマルチバース宇宙論、つまり、私たちが暮らすこの宇宙以外にも、無数の宇宙が存在するという説です。宇宙がインフレーションから始まったとすると、出来上がった宇宙がこの宇宙だけと考えるのは非常に無理があり、無数の宇宙が誕生した、そして今も誕生している、と考える方が美しく理論を構築することができます。

マルチバース宇宙論で誕生する無数の宇宙はそれぞれ個性が異なります。物理乗数は当然異なりますし、宇宙の組成が私たちの想像できない何かでできている宇宙もあるかもしれません。この宇宙ではインフレーションは約138億年前に終わり、その後にビッグバンが起き、宇宙の材料がまき散らされて温度が下がり、現在に至っています。やがて、星々や銀河が生まれ、その中の一つ天の川銀河に私たちは誕生しました。

しかし、この宇宙には外側があり、そこではインフレーションが終わっていない可能性が高いのです。つまり、宇宙は私たちの宇宙が誕生する前から、今も無数に誕生し続けているというのです。それは、私たちも知らないある時、インフレーションが一度はじまったら、それを止めることはできないと考えられるからです。インフレーションが終わらないことを「永久インフレーション」といいます。

ここで興味がわいてくるのは、私たちは隣の宇宙を観測できるのだろうか、ということです。結論は、別の宇宙を見ることはできないけれど、その存在を知ることは可能かもしれないということです。たとえば、宇宙マイクロ波背景放射や重力波背景放射を使った観測があげられます。それらの背景放射は、この宇宙が誕生した時のエネルギーや重力が宇宙全体から地球に届いているものです。

これは言ってみれば、ドーム状の天井から、ドームの中心にある地球にエネルギーや重力が届いているようなものです。この宇宙に他の宇宙が衝突すると、ドームの天井が変形します。変形した天上から届くエネルギーや重力波は他のところとは異なったものに変化します。たとえば、他の宇宙と衝突してこの宇宙がへこめば、へこんだところからくる宇宙背景放射や重力波背景放射は手前に出てくるはずです。一方で、隣の宇宙の巨大な重力にこの宇宙がひっぱられれば、宇宙背景放射も重力波背景放射もそこだけが遠ざかるはずです。このようなほんのわずかのドップラー効果を観測することができれば、隣の宇宙の存在を予測できるかもしれません。


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2019-02-18 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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