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ハダカデバネズミは仲間の足を引っ張ってまで働く

人間社会では、他人の足を引っ張って仕事をする人は珍しくありません。一方で、人間以外のアリやミツバチなど、人間同様の社会を構築している生物では他者の足を引っ張ることは自分が所属する社会全体ためになりませんので、そのような行動はとらないように振る舞います。

ところが最近、人間やアリ、ミツバチ同様に社会的集団を構築して生活するハダカデバネズミにおいて、他者の足を引っ張る行動が発見されました。総合研究大学院大学の研究によるとハダカデバネズミが、他個体の尻尾をくわえて後方に引きずり労働の妨害をすること、また、労働の妨害をしたハダカデバネズミは、引きずり出したハダカデバネズミが労働をした場所で労働を始めることを発見しました。このような行動は社会性社会を形成する種は、コロニー全体の利益のために自己を犠牲にする利他行動を進化させているという事実から考えると説明がつきません。

東アフリカの乾燥地帯の地中のトンネルの中で生活するハダカデバネズミは、哺乳類でありながらアリやミツバチのような真社会性 社会を形成します。コロニーサイズは最大で200匹以上に達し、コロニー内の繁殖は、一匹の女王個体と少数の繁殖オス個体のみが行います。その他の個体は、ワーカーとなります。ワーカーは協力して、巣の中の特定の部屋から不要な巣材を取り除く集団労働をしています。 ハダカデバネズミの社会において、他個体を妨害する行動はコロニーのためになる行動とは考えられず、進化生物学的に説明することが難しい現象です。では、なぜ、ハダカデバネズミは、このように無駄な行動を行うのでしょうか? 

この疑問に対する答えは本研究から明らかにはできませんでしたが、ひとつの可能性として、妨害行動は、本種が持つ極端に利他的な行動傾向の副産物である可能性があります。ハダカデバネズミでは、個体がコロニーのために働く極端な利他性を進化させています。この極端な利他性は、ハダカデバネズミの生活の多くの状況において、コロニーの利益を上昇させるために役立っています。このような行動傾向の副産物として、他個体を妨害するほどの労働を行ってしまうのかもしれません。この点を明らかにするためにはさらなる研究が必要です。

ハダカデバネズミは仲間の足を引っ張ってまで働く


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2019-02-27 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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