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DNAオリガミを融合した分子人工筋肉を開発

DNAオリガミを融合した分子人工筋肉を開発

北海道大学、関西大学、東京工業大学情の研究グループは、モータータンパク質 とDNAからなるオリガミを組み合わせることで,化学エネルギーを力学エネルギーに直接変換する分子人工筋肉の開発に世界で初めて成功しました。ここでいうオリガミとは、非常に長い一本鎖のDNA を一筆書き状に折りたたんで、これを多数の短い相補的なDNA で固定することにより希望した形状の構造体を作る技術のことです。つまり、紙の折り紙で作る折り鶴をDNAを使って作るようなものです 。

AIやICTと連動して動作する装置は古典的なモーターを含め、さまざまなものが開発されています。さらに、駆動力にモーターを使わないソフトアクチュエーター 、つまり人工筋肉が数多く開発されてきましたが多くの解決すべき問題があります。例えば、アクチュエーターの重量当たりの出力が低いこと、設計サイズの自由度の低さ、電力を外部から供給することが必要なこと、などです。

これらの課題を解決する鍵として注目されているのが、バイオミメティクス技術、つまり、生物の機能を模倣して、再生可能な化学エネルギーを高効率で力学エネルギーに変換する分子機械「モータータンパク質」などです。しかし、ここにも問題があって、モータータンパク質などはナノメートルサイズの構造体なので、人間の生活空間で動力源として利用するのは無理があります。

 そこで研究チームは分子パーツをくみ上げることで、サイズを数千倍までスケールアップし、さらにそれが実際に駆動可能であることを実証しました。

研究チームは、DNA 二重らせんを6本、チューブ状に束ねたDNAオリガミ構造体を作成し、さらに、化学的にそれらを結合させ、そこにモータータンパク質と呼ばれるキネシンを加えると、ミリメートルサイズの網目構造が形成されました。最後に,化学エネルギーであるアデノシン三リン酸(ATP) を加えると、元の大きさの 1/40 にまでなる急激な収縮運動が観察されました。

出来上がったDNA オリガミ構造体をさらに集合させた高次構造は、人のからだで心臓や内臓などを動かしている平滑筋という細胞を模倣した「分子人工筋肉」といえます。今回開発した分子人工筋肉は、電気を使わず、生体適合性の高い安心安全な医療用マイクロロボットのアクチュエーターとして、また、高い出力と高速動作を実現した昆虫型ドローンなどの動力源として期待されます。


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2019-05-28 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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