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電流の渦から磁気を生み出すことに成功

中国科学院大学、慶應義塾大学、理化学研究所による電子スピンと時期に関する研究です。電子は、電気と磁気の2 つの性質を持ち、磁気の起源は「スピン」と呼ばれる電子の自転運動です。磁石の中では電子の大きさのコマが回転していると思ってください。

今から約100 年前、室温で強い磁気を持つ物質において、ミクロな角運動量である電子のスピンが力学的な回転運動と互いに変換可能であることが実験的に検証されました。つまり磁石の中の電子のコマのスピンが、磁石の棒そのものの回転と相互変換できる、ということです。

この効果は、物質を高速回転させるほど大きくなりますが、毎秒1 万回転程度の回転速度を用いたとしても、磁場に換算すると地磁気の1500 分の1 程度の極めて微弱な効果しか得られないため、これをデバイス応用する研究はほとんど行われてきませんでした。つまり、ミクロな電子の回転とマクロな磁石の回転は相互変換できるが実用性はないと思われていた、ということです。これに対し、2013 年に中国科学院大学の日本人研究者が室温で磁気を持たない銅やアルミニウムなどの金属でも、回転させることにより、金属中の電子のスピンの方向を揃えさせ磁力を持たせることができる理論を発表しました

 今回の研究では、表面を酸化させた銅が用いられました。表面酸化銅は、酸化の度合いが表面が最も高く、内部に行くにしたがって酸化の程度が低下し、それに合わせて電子の移動速度に勾配ができています。このような材料を使って、電子のマクロな回転運動が直流スピン流を生成する可能性を指摘し、実際に測定された直流スピン流の大きさも同理論によって説明できることを確かめました。この研究成果は、電気伝導率に傾斜構造があればどのような物質でも直流スピン流を生成できることを示したものであり、磁石や貴金属を必要としない画期的な磁気デバイスの実現に大きく道を拓くものといえます。


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2019-06-27 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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