FC2ブログ

ジャミング状態の特徴

粒子がぎゅうぎゅう詰めになった固体状態は「ジャミング状態」と呼ばれます。東京大学、中国科学技術大学などの研究グループは、球形粒子を詰め込んだ乱れた構造を持つ固体状態(ジャミング状態)に、どのような構造的な特徴が潜んでいるかについて研究を行いました。

 粒子がぎゅうぎゅうに詰め込まれると、満員電車の中の人のように互いが押し合うことで身動きが出来なくなり、粒子の集合体は固体のように振る舞うことが知られています。しかし、このようなジャミング状態がどのような構造的特徴を持つかは、粒子の配列に結晶のような周期性がないため、これまで謎に包まれていました。 ジャミング状態では、1個の粒子を除いただけでもその状態は不安定化することがわかっています。したがって、ジャミング状態の構造は、安定・不安定の境界に存在すると考えられます。ジャミング状態がこのような安定限界においてどのような特徴を持つかは、十分には理解されていませんでした。

今回、粒子の周りの局所的な柔らかさの指標として新たに導入した「振動感受率」という物理量が、粒子のある場所の局所的な振動のしやすさの情報を持つだけでなく、他の場所の振動のしやすさと相関を持ち、しかもそれが全系にわたっていることを見出しました。このことは、たとえ構造が乱れた状態でも、結晶の端を押すとその力がどこまでも伝わるのと同様に、系全体が力学的には端から端までつながっていることを意味し、系が弾性を持つことと関係していると考えられます。

 次の図は丸い粒のジャミング状態を平面で表したものです。粒子の色の違いは色が薄いほどギュウギュウ状態にあります。満員電車の中でも、このようにモザイク状に周囲の人と隙間のない人と少し余裕のある人が混在していることが想像できると思います。にもかかわらず、電車が大きく揺れるなど状態に力が加わると全体として一つの固まりのように「おっとっと」となります。 

ジャミング状態の特徴
この記事は科学のポッドキャスト「ヴォイニッチの科学書」です。 ヴォイニッチの科学書は毎週ホットな科学の話題をわかりやすいまとめて配信しています。
毎週1テーマを紹介する無料版は Apple Podcast で聴くことができます。
毎週5テーマを紹介してPDF資料も付く有料版はオーディオブックジェーピーで配信中です。定期購読はこちらからお申し込みいただけます

関連記事
スポンサーサイト



2019-07-02 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

おびおのプロフィール

おびお

Author:おびお
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。
ツイッターアカウント:@cradiobio
ものことごはん:http://obio2.blog.fc2.com/

スヴァールバルの画像保管庫

スポンサードリンク

スポンサードリンク

ワトソンの検索窓

ロザリンド・フランクリンのダイアリー

08 | 2019/09 | 10
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -

QRコード

QR