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超巨大ブラックホールの詳しい観測に成功

英ケンブリッジ大学の天文学者らは、X線の“エコー”を利用した技術を用いて、活動銀河中心の大質量ブラックホールを詳しく観測することに成功しました。

観測対象となったブラックホールは、地球から約10億光年離れた「IRAS 13224-3809」と呼ばれる銀河の中心にあるブラックホールです。この超大質量ブラックホールは、数百万℃のガスなどが回転する円盤に囲まれ、また中心からは10億℃を超えるX線コロナが噴き出しています。このX線の振る舞いを観測することによって、ブラックホールの「事象の地平線(=光さえ逃れることができない領域との境界)」周辺の観察に成功しました。

今回の観測対象となったIRAS 13224-3809は中心領域がX線やガンマ線を非常に多く放出する「活動銀河」のひとつです。研究チームは、欧州宇宙機関ESAのX線観測衛星「XMM-Newton 」による観測データを用いました。 ブラックホールから放出されるX線の一部は、直接宇宙に拡散しますが、別の一部のX線は降着円盤にぶつかって、ブラックホール周辺の環境を抜け出すまでにやや遠回りします。その結果、地球から観測すると両者の間に時間差が生じます。これを観測する手法を「反響マッピング」といいます。反響マッピングをコンピューターで解析することによって、ブラックホールの質量と回転速度を算出することができます。

その結果、IRAS 13224-3809には太陽200万個分の質量が含まれており、それが物理法則で最大とされるスピードの97%という超高速で回転していると結論づけられました。このような超巨大ブラックホールが形成されるきっかけが何なのかはわかっていません。超巨大ブラックホールが形成される仮説の一つとして、銀河同士が次々に衝突して巨大化する説があります。もしそれが本当であれば、銀河中心のブラックホールの回転には、複数のブラックホールが合体した痕跡が残されているはずです。今回の観測の究極的な目的は、ブラックホールの質量とその回転の詳細を明らかにすることによって、銀河中心の超巨大ブラックホールがどのようにして形成されたのかを明らかにすることです。


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2020-02-18 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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