Chapter-455 神経ダーウィニズム仮説

 「神経ダーウィニズム仮説」というものがあります。人間の脳は非常に効率的に情報処理をする能力を進化の過程で獲得しましたが、これはダーウィンの進化論と同様に、神経細胞の多様化と自然選択によってなしえたものだ、というものです。

東京大学 先端科学技術研究センターの研究者らは、ラットに対して音学習という実験を行って、そこから得られたデータを情報理論という手法で解析することにより、大脳皮質の表面積に占める割合と神経細胞の多様性が連動して変化することを発見しました。

 音学習の途中段階のラットの聴覚野では、音に反応する神経細胞の数が増えることが確認できましたが、その内訳を見てみると細胞の量が増大するのに伴って、様々な音に反応する細胞が現れ、神経反応の多様性が拡大しました。一方、学習終盤、つまりラットが十分に学習した段階では、音に反応する神経細胞が減り、その多様性も減少しました。

 これらの結果から、脳にとっての学習とは、多くの神経細胞を情報処理に参加させて、神経活動の多様性を増やすことで、どのような細胞を使いこなせば効率的に情報を処理できるか、その方法を発見することであると考えられました。また、最適な情報処理の方法が見つかると、無駄な神経細胞の活動を排除することがわかりました。



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2013-09-14 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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