研究者の任期付雇用で基礎研究ができない

科学新聞5月2日分読みました。
トップ記事は「大学の基礎研究が危うい」でした。

私の心の中の根本的な疑問として「問題点しか見えてこない任期付雇用をどうしてやめないの?」っていうのがあるのですけど・・・。民間企業だったらダメな仕組みはすぐに改めますよね。

任期付雇用をやめれば企業の優秀な研究者が大学や独立行政法人へ移るケースが出てきてより望ましい方向に進むと思うのでが。企業で安定した収入と、(企業ごとにケースバイケースかもしれないけど)定年まである程度は保証されている研究者生活を放棄してまで公的な研究機関の人材募集に応募するはずがないので・・・。

それはいいとして、記事では国内論文シェアトップの東北大学、東京大学、京都大学、大阪大学についての調査結果を中心に話をまとめています。

若手研究者の雇用について

・外部資金で雇用されている、つまり決められた任期の間に求められた成果を上げなければ失職する若手研究者が増えている。
・任期なしで基礎研究などにじっくり取り組むことのできる若手研究者は減っている。

若手or中堅研究者が独創的な研究を行うに当たっての障害

・プロジェクトセットになった任期付雇用なので研究テーマを自分で考えられない、言われたことをするだけ。

そんなこんなの事情があって、

・トップ大学では将来の新しい科学技術のもととなる基礎研究の多様性が確保されていない。
・大学の研究者が論文になりやすい研究を志向するようになった。

要するに、今の日本の大学において、研究の主役は外部資金で雇用した任期付の研究者が中心になったので、時間がかかるし成果が出るかどうかわからない研究をだれもしなくなった・・・のだそうです。

多くの日本の研究開発型企業は今でも基礎研究に取り組む体力は持っていると思いますが、そうはいっても3年とか言ったレベルの任期がないだけの話で、どこかでなんらかの成果は出さなければならないですからね。・・・成果が出なくても職を失わないのは企業研究者の大きなメリットですけど。

任期付雇用なんか今日にでもやめちゃって、大学や独立行政法人は基礎研究に時間をかけてしっかり取り組む。また、それができる若手研究者を育てる。

さらに、すでに安定した研究者生活が保障されいている企業研究者について大学・独法での安定雇用を実現してそういった基礎研究の場への流動性を高めることによって、応用研究のセンスを取り込む。

一方で企業の応用研究との紐付けを行うことを業務とする人材(応用サイエンスコミュニケーター)を育てて、事業化を確実に行って、たとえばライセンスビジネスなどで収益を上げて大学・独法研究者の雇用を維持する。

言うだけならこんなに簡単なのにそれができないというのは、私なんかには理解できないなにかいろいろとあるのでしょうけど、基礎研究は研究者として一番面白いところでもあるので、そういった研究に、夢と希望を持って研究職の道を歩み始めた若い人がじっくりと取り組めない、っていうのは不幸な状態ですよね。
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2014-05-11 : 雑談 : コメント : 0 :
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