Chapter-528  温室効果ガス観測技術衛星いぶきの絶対可憐性能

温室効果ガスである二酸化炭素の大気中濃度は、人間活動の影響により産業革命前に比べて約1.4倍に増加しました。人間の活動による二酸化炭素は特に大規模な火力発電所や大都市における化石燃料消費が大きな原因であると考えられています。

このため温室効果ガス排出量の監視に向け、これらの大規模発生源における人為起源二酸化炭素排出量を精度良く評価することが求められています。

温室効果ガス観測技術衛星いぶきに搭載されている温室効果ガス観測センサーの精度は2 ppm程度の違いを識別することが可能ですので、平成21年6月から平成24年12月にかけての二酸化炭素濃度の変化をいぶきの観測データで検出できるかどうかを調べました。  

単純にいぶきの観測データを当てはめることは出来ません。というのも、いぶきのデータは発電所などの放出した二酸化炭素と植物が放出した二酸化炭素の区別が出来ないためです。そこで、人工衛星から見た夜間の地球表面の明るさのデータや、火力発電所のデータベースに基づく人為起源二酸化炭素排出量データや大気輸送モデルを用いて二酸化炭素濃度の時空間分布を推定します。

ここにいぶきによる二酸化炭素濃度データをあてはめた上で森林火災やコンピュータシミュレーションによる植物の影響等を取り除く処理を行いました。 その結果、いぶきのデータは人間が活動している地域で明確に二酸化炭素濃度が高くなっているデータを描き出しました。それによると、北半球の大都市域等の周辺が抽出され、人口が密集地や産業活動が盛んな地域での二酸化炭素放出量を明らかにしました。

ただ、地域によってはいぶきのデータが不足しているために適切な解析が出来ない地域も見つかりました。いずれにしても、いぶきは大都市等における化石燃料消費による二酸化炭素濃度の上昇を捉えている可能性が高いと言うことができます。  

今後は衛星による人為起源二酸化炭素濃度の推定精度を高めるために、より高頻度・多数の衛星二酸化炭素濃度データの取得方法を検討するとともに、大規模排出源周辺での地上観測を行うなど人為起源排出量を衛星二酸化炭素濃度データから推定する手法を確立するための研究及び推定結果の実証に取り組む予定です。



「ヴォイニッチの科学書」は2001年に配信を開始した世界初の日本語によるインターネット科学ラジオ番組です。毎週ホットな話題をわかりやすいフレーズで配信しています。
無料版(短縮版)は iTunesStore インターネットラジオ局くりらじから配信登録できます。iTunes の検索窓に「ヴォイニッチ」と入力してください。
有料版は株式会社オトバンクが発行するオーディオブック番組です。定期購読はこちらからお申し込みいただけます。有料版にはより長時間の音声配信並びに、詳しい配付資料を提供しています。
関連記事
スポンサーサイト
2015-01-07 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

おびおのプロフィール

おびおがしかし

Author:おびおがしかし
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。でも、楽しいことしかしません。楽しいことしかできない病、TD! それがおびおなのです。
苦手な食べ物:シーチキン、レバー、昆虫系
Web:ヴォイニッチの科学書
お気づきの点はメール
twitter:科学の自動会話プログラム ぼっとびお。

スヴァールバルの画像保管庫

スポンサードリンク

スポンサードリンク

ワトソンの検索窓

ロザリンド・フランクリンのダイアリー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

QRコード

QR