Chapter-529  人類が恒星同士の衝突を初めて見るとき

天の北極近くにきりん座という星座があります。2月中旬に最も南の高い位置に来ますが、あかるく輝く星がなく、星座の形は不明瞭なマイナーな星座です。 今回の話題はこのきりんの右足の足首にあるMY星です。  

きりん座MY星は恒星食と呼ばれる恒星の手前に恒星が来て後ろの星の光を隠す天文現象を起こしていることがスペインのアリカンテ大学の天文学者によって明らかにされました。きりん座MY星の明るさが変化することは古くから知られていて、一般的な変光星であろうと考えられていましたが、実は恒星食が原因で星野明るさが変わっていたのです。10年ほど前にきりん座MY星は実は2つの恒星からなる連星であり、変光星のように見えていたのはお互いの恒星が相手を相互に隠すために見かけの明るさの変化が起きていることが明らかになりました。  

スペイン南部カラール・アルト天文台にある口径2.2メートルの望遠鏡で、2つの星の光の成分であるスペクトルを分析し、表面温度や星のサイズなどを解析しました。  

その結果、2つの恒星の温度は高く、色は青。誕生したのは200万年前と非常に若く、大きさはそれぞれ太陽の38倍と32倍の質量であることがわかりました。公転周期はわずか1.2日以下、あまりにも二つの恒星の距離が近づきすぎているため、恒星の表面の大気層はすでに絡み合っていて、研究チームは、この2つが近いうちに合体して、太陽の60倍という質量を持った1つの超巨大恒星となるのではないかと考えています。  

恒星の衝突合体の時にはすさまじく巨大な衝撃が発生し、莫大なエネルギーを放出すると思われますが、恒星同士の衝突を人類は未だ観測したことがありませんので、多くの天文学者がこの連星の今後に注目しています。



インターネット科学ラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」は毎週ホットな話題をわかりやすいフレーズで配信しています。
無料版(短縮版)は iTunesStore インターネットラジオ局くりらじから配信登録できます。iTunes の検索窓に「ヴォイニッチ」と入力してください。
有料版は株式会社オトバンクが発行するオーディオブック番組です。定期購読はこちらからお申し込みいただけます。有料版にはより長時間の音声配信並びに、詳しい配付資料を提供しています。
関連記事
スポンサーサイト
2015-01-17 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

おびおのプロフィール

おびおがしかし

Author:おびおがしかし
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。でも、楽しいことしかしません。楽しいことしかできない病、TD! それがおびおなのです。
苦手な食べ物:シーチキン、レバー、昆虫系
Web:ヴォイニッチの科学書
お気づきの点はメール
twitter:科学の自動会話プログラム ぼっとびお。

スヴァールバルの画像保管庫

スポンサードリンク

スポンサードリンク

ワトソンの検索窓

ロザリンド・フランクリンのダイアリー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

QRコード

QR