Chapter-530 iPS細胞を使わない毛髪再生医療

2013年に資生堂はカナダのベンチャー企業レプリセル社と「毛髪再生医療技術」について技術提携し、失われかけた頭髪を細胞技術で復活させる研究を続けています。

この技術では、脱毛症や薄毛に悩む患者さんの後頭部の頭皮を直径5ミリ程度の円形に切り取った組織から底部毛根鞘(しょう)細胞という細胞をまず採取します。この細胞は毛髪の成長に重要な役割をする毛乳頭細胞の元になると考えられている細胞です。次に、この細胞を培養し、それを患者さんの頭の脱毛部位に注入します。それによって、周辺の損傷した毛包が再活性化し、健康な毛髪の成長が促されます。  

再生医療には材料として他人の細胞を移植する他家細胞移植と自分の細胞を使って自分を治療する自家細胞移植がありますが、今回の方法は自家細胞移植ですので、免疫拒絶などの副作用が少なく、安全性が高いと考えられています。  

事業化は業務提携の5年後の予定でしたので、2018年となります。現在は月10人分程度の再生医療製品を脱毛外来のある大学病院などで試験的に使用しようとしている段階で、本格的な毛髪再生医療開始までにはもう少し時間がかかりそうです。治療費用は数十万円を目指しているそうで、市場は日本国内だけで2000 億円程度はあると見積もられています。

毛髪再生が研究のメインの目的なのかもしれないですけど、逆に遺伝子をノックアウトして手入れ不要のピカピカのスキンヘッドにしたり、天然の金髪にしたりもできそうですね。毛髪の再生は医療用途だけでは研究を前に進める原動力としては弱いので、美容用途への展開も期待されるところです。



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2015-02-14 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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