ナノナノしさに萌え盛るナノインジェクター

下の写真は何かと言いますと、機械仕掛けの注射器です。
真ん中に保持されたボールのような球体に右下から針が伸びてきてプスッと注射します。
ナノインジェクターと呼んでください。
この造形だけでご飯が三杯はいけるレベルのメカメカしく萌える造形ですが、画面右下の縮尺棒に注目っ!

あの白い線が 200マイクロメートル、つまり 0.2ミリメートルなのです。
ちっさっっ!!
実はこれ、卵細胞などの1個の細胞に遺伝子を注入する装置です。

ナノインジェクター nanoinjector

一般的な遺伝子の注入も十分に細い注射針が使われるのですが、それでも細胞はとても小さいのでたとえば、人間にビールの中ジョッキくらいの太さの針で注射するようなもので、多くの細胞はぶっ壊れてしまいます。

けれどこのナノインジェクタならば細胞に比べても針が非常に細いので、なんと遺伝子注入後、7割もの細胞が生存できたのだそうです。

下の写真はナノインジェクターの全体電子顕微鏡写真です。全体の横幅が 1.5ミリメートルくらいです。

ナノインジェクター nanoinjector

針の付け根あたりを電子顕微鏡で拡大し見るとこんな感じです。
白い目盛りはなんと 0.02ミリメートル。

ナノインジェクター nanoinjector

すごい、ちゃんとできてる・・・

ナノインジェクター nanoinjector

ナノインジェクターに電気を流すと、針を保持している櫛状の部分がたわんで、針が押し出される仕組みになっています。
小さいのに動きます
わきわきっ

ナノインジェクター nanoinjector

光学顕微鏡で撮影した実際の遺伝子注入の写真が下です。
まず、針を電気でプラスにします。遺伝子はマイナスの電気を持っていますので針にくっつきます。
その状態でナノインジェクターに電気を流すと櫛が細胞の中に刺さります。この時に針のプラスマイナスを逆転させてマイナスにすると、遺伝子と反発して遺伝子が針から離れ、細胞の中に放出されます。

写真の下の方にある透明の丸いものがマウスの卵細胞、左が刺す前、右が針を細胞に差し込んだ状態です。

ナノインジェクター nanoinjector

科学者の皆さん的には遺伝子注入後の生存率が7割になったというところがポイントなのでしょうけれど、普通にコレは造形物としてすごいと思います。大人の科学シリーズとかで100倍スケールの模型とか出して欲しい・・・。

原著論文はここで読めます
A self-reconfiguring metamorphic nanoinjector for injection into mouse zygotes
http://scitation.aip.org/content/aip/journal/rsi/85/5/10.1063/1.4872077
関連記事
スポンサーサイト
2015-02-16 : 雑談 : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

おびおのプロフィール

おびおがしかし

Author:おびおがしかし
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。でも、楽しいことしかしません。楽しいことしかできない病、TD! それがおびおなのです。
苦手な食べ物:シーチキン、レバー、昆虫系
Web:ヴォイニッチの科学書
お気づきの点はメール
twitter:科学の自動会話プログラム ぼっとびお。

スヴァールバルの画像保管庫

スポンサードリンク

スポンサードリンク

ワトソンの検索窓

ロザリンド・フランクリンのダイアリー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

QRコード

QR