Chapter-532 人は横目で見ようとはしない

目の回転はかなり自由度が高いので、真横に近い位置にまで目玉を動かしてものを見ることができます。

肉体的機能としてはそれほどのものがあるにもかかわらず、日常的には目だけを動かして対象を見ることはあまりせず、頭や体を動かします。つまり、私たちは横目でなにかをしっかり見るということはしません。

どうして横にあるものを見るときにわざわざエネルギーを使って顔や体をそちらに向けるのか、ということに興味を持って研究している科学者がいます。

東北大学電気通信研究所の研究者らは、横目でものを見る場合と顔を動かして正面で見据える場合では、視覚情報の神経的処理が異なるのではないか、と仮定し、それを検証するために心理学の実験でよく行われる視覚探索実験を行いました。

この実験は複数のアイテムの中からあらかじめ指定されたアイテムを目線だけで探し出す実験です。これをアイテムを正面で見据えた場合と横目で見ながらの場合で行って比較しました。 その結果、横目で目標を探そうとすると探索時間が特に長くなることがわかりました。横目でものを見るだけで情報処理に要する時間が長くなっているようなのです。

つまり、私たちが何かを見るときに横目機能を使わず頭や体をそちらに向けるのは、横目観察が人の視覚的な情報処理に妨害効果をもたらすので、エネルギーを使ってでも頭を動かした方がメリットがあるらしいことがわかりました。この頭部の方向と視覚的認知のメカニズムの関係については、今後、さらに検討をしていかなければならない重要な点だと考えられます。



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2015-02-22 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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