Chapter-536 飲み薬で目の難病を治療する

ついに、多くの人たちが待ち望んでいた飲む目薬が誕生しそうです。  

今回紹介する飲み薬のターゲットは加齢黄斑変性で、iPS細胞による再生医療のターゲットとしても知られています。加齢黄斑変性は年を取ることなどが原因で網膜に異常が発生し、失明にも至る難病です。この病気を飲み薬で治療しようと研究を行っているのは日本の医薬ベンチャー、アキュセラ社です。

加齢黄斑変性については2種類の病態があります。

1つはウェット型と呼ばれるもので、本来、血管があってはならない目の内部に血管が出来てしまい、その血管から出血することによって視界が遮られてしまうタイプです。もうひとつがドライ型で、網膜にあって、ものを見るセンサーの役目をする視細胞に毒性物質が蓄積し、細胞が壊れてしまう病気です。

デジカメに例えるなら、ウエット型はセンサーの上に汚れがこびりついて綺麗な写真が撮れなくなる状態、ドライ型はセンサーそのものが壊れて綺麗な写真が撮れなくなる状態です。

発症する人の割合としては、1割がセンサーが汚れる型、9割がセンサーが壊れる型です。iPS細胞で再生医療が試みられているのはセンサーが汚れる型、つまりウエット型でこちらはセンサーそのものは正常なので治療薬もあり治療の可能性が残されています。ところが、センサーが壊れるドライ型は治療薬がまだありません。 このドライ型を飲み薬で治療してやろうというのがアキュセラ社の挑戦です。

ドライ型の原因は目の働き過ぎによる網膜の劣化です。ただ、目の働きを意識してコントロールすることは出来ませんので、アキュセラが発見した視覚サイクルモジュレーターと呼ばれる種類の薬、エミクススタトは目の反応をあえて低下させることによって網膜の損傷を軽減することが期待されています。

これを患者が使いやすい飲み薬で開発したことに大きな意味があります。日本で発見された世界に通用する画期的な新薬として期待されています。



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2015-03-03 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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