Chapter-538  ネコはどこから来たのか

イエネコの起源は約1万年前の中東に生息していたリビアヤマネコであるらしいことがわかっています。この時代、農耕が発達し、穀物を荒らすネズミの捕獲用としてネコは家畜化されました。やがて愛玩動物としての側面が重視され、より人間の好む見た目や性格のネコを手に入れるため、様々な品種がつくられ、世界各地に広がっていきました。その中には世界を巡った貿易商人やバイキングたちと共にヨーロッパを旅したり、大航海時代には新大陸へと上陸したり、経典をネズミから守るために仏教徒と共にシルクロードを旅したネコもいたはずです。

地球規模でのネコの勢力拡大はネコの遺伝子の中に潜むウイルスの遺伝で追跡できそうです。ネコは世界各地を旅する間にレトロウイルスという特殊なウイルスに感染することも珍しくありませんでした。レトロとは「逆」という意味で、自分の遺伝子を宿主の遺伝子の中に組み込む特殊な能力を持つウイルスのことをレトロウイルスと呼びます。レトロウイルスが生殖細胞に感染すると宿主の生殖活動によってウイルスの遺伝子も子孫に受け継がれます。  

ネコに感染したウイルスの解析は今後の研究を待たなければなりませんが、たとえば、欧米では約半数の家猫に感染したウイルスが、アジア系のネコには感染していないことがわかっています。このことから、中東からまず欧米系とアジア系が分かれ、さらに欧米系が分裂して、その分裂後の一部に特殊なウイルスが感染したのであろう、と移動経路を予測することが出来ます。 

ちなみに、欧米のネコの約半数に感染したウイルス遺伝子を持っているネコはスカンディナビア半島で元々生息していた猫で、イギリスへ運ばれた後、飼い主と共にメイフラワー号に乗ってアメリカに上陸したらしいことがわかりました。ちなみに、メイフラワー号は1620年イギリスのピルグリム・ファーザーズ、つまり清教徒が信仰の自由を求めて現在のアメリカに入植した人々102人をアメリカに運んだ船です。1620年8月15日サザンプトン港を出航し、11月21日に現在のマサチューセッツ州プロビンスタウンに到着、12月26日マサチューセッツのプリマスに投錨しました。



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2015-03-21 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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