Chapter-400 太陽の様子がおかしい  

 科学者の間で最近、どうも太陽の様子がおかしい、ということがしばしば話題になっています。どういうことかというと、太陽の活動が活発になると増える黒点の数が、100年ぶりの低水準となり、太陽の活動が非常に弱まっているらしいのです。

 太陽は元々、活動が活発な時期と静かな時期を規則正しく11年周期で繰り返しています。2000年以降太陽の活動は低下していましたが、科学者の推定では2008年から活動は活発化するはずでした。ところが、いつまでたっても太陽の活動は上向かず、2012年になってやっと黒点が増え始め太陽の活動が活発になってきた気配がありますが、活動が活発になる速度はこれまでよりもゆっくりであることを示唆するデータが得られています。

 また、黒点が現れる場所にも変化が起きています。太陽活動の11年周期に伴って黒点が出現する場所も規則正しく変化します。太陽の活動が活発な期間に移り変わると共に黒点はまず、緯度の高い地域に多く出現し、次第に赤道に近い場所に出現範囲が変化していました。しかもその変化は赤道を挟んで非常に正確に南北対象となっていました。ところが今は黒点の南北対称性が崩れ、南半球に黒点が集中しています。これは1700年代に70年間も続いた地球寒冷化時代の記録と一致します。

 さらに、日本の太陽観測衛星「ひので」による2012年3月の観測では北極に太陽のN極が混じり、ほぼS極とN極が半々になっている状況だったのです。このことは太陽の磁極が入れ替わりつつあることを示しています。太陽の局の入れ替わり自体は珍しいことではないのですが、今回、不思議なことに太陽の南極は依然としてN極が安定して保持されています。つまり、太陽の磁極は反転しているのではなく、両方がN極になりつつあるのです。その結果、S極が太陽の赤道周囲に配置され異例の四重極構造を作り出しているのです。

 太陽の活動の変化に伴って地球の気候を変化させている力の実態は宇宙から太陽系に届く荷電粒子である宇宙線なのではないかという説が最近有力になってきています。というのも1997年に宇宙線の量と雲の量に相関があることが報告され、太陽の活動が低下することによって太陽磁場が弱まり、地球に到達する荷電粒子の量が増えます。すると、地球の雲の量が増え、太陽光の反射率が上昇することによって地球の気温が低下するという連鎖が起きている可能性が指摘されています。

(今回は日経サイエンス2012年8月号の特集記事「太陽異変」を参考に作成しました)


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2012-07-22 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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